研究課題/領域番号 |
17654118
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
前原 常弘 愛媛大学, 理学部, 助手 (40274302)
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研究分担者 |
豊田 洋通 愛媛大学, 工学部, 助教授 (00217572)
倉本 誠 愛媛大学, 総合研究支援センター, 助手 (50291505)
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キーワード | 水中 / プラズマ / 高周波 / AOP / OHラジカル |
研究概要 |
水中内に挿入された電極から高周波(13.56MHz)を印加して、水中高周波プラズマを発生させる研究である。水中高周波プラズマは水中の気泡内に安定的に存在する高周波放電である。これらの高周波プラズマの物性は全く知られていなかったが、今年度、分光計測を開始し、水素の輝線スペクトル(いわゆるHαとHβ)の比から、熱平衡を仮定することで、温度を見積もることが出来、4000-4500Kであることが判明した。この水中プラズマは純水から水道水、さらには食塩水のような高電気伝導を有する溶液においても容易に得ることができる。また、気圧を下げた場合(0.2atm程度)では、大気圧の半分程度の入射電力でプラズマを維持することが可能であう。気圧や水の純度によらず、温度はほぼ一定であった。圧をさげ、入力電力を下げた場合は、プラズマの体積が小さくなり、光量が減少する。溶質からの発光も確認されている。 我々はこのような水中プラズマの応用例として、水中の有機分子の分解を試みた。有機分子の例としては、しばしば用いられるメチレンブルーである。300Wの入力で1分間プラズマを維持したところ、300CCの水に溶解したメチレンブルーは分解され、青色はきわめて薄くなった。吸光分析の結果では、吸光度のピークは1/10程度まで下がっている。これはAOP(Advanced Oxidation Process)の一つとして応用可能であることを示唆している。この原因を探るべく、紫外領域に感度をもつ分光器により、計測を行ったところ、309nm付近にきわめて強いスペクトルが確認された。このスペクトルはOHラジカルに起因するもので、OHラジカルが1つの要因であることが明らかとなった。
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