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2005 年度 実績報告書

中性子散乱によるリポソーム間の脂質交換反応の速度論的解析

研究課題

研究課題/領域番号 17655005
研究機関京都大学

研究代表者

中野 実  京都大学, 薬学研究科, 助手 (70314226)

キーワード中性子小角散乱 / 脂質交換速度 / レシチン / リポソーム / アポリポタンパク質 / 蛍光エネルギー移動 / 両親媒性ペプチド / 同位体
研究概要

フォスファチジルコリン(PC)とスフィンゴミエリン(SM)からなる一枚膜リポソーム(LUV)からの、アポリポタンパク質A-I(apoA-I)による脂質の引き抜きの現象を、蛍光分光光度計を用い、散乱強度の低下によって観測した。組成(PCとSMのモル比)と温度を変えて観測したところ、37℃では1:9の組成において、また33℃では3:7の組成において著しい引き抜きが起こった。これらのLUVはそれぞれ37、33℃付近にゲル-液晶相転移点を有することが、蛍光分光光度計を用いたDPH蛍光異方性の実験から明らかになった。すなわち、膜の相転移温度において脂質引き抜きが起こることが判明した。脂質引き抜き後のapoA-I-脂質複合体の構造を電子顕微鏡で観察したところ、直径約10nmのディスク状粒子の存在を確認した。
蛍光標識したジオレオイルフォスファチジルエタノールアミン(NBD-及びRhodamine-DOPE)を用い、蛍光標識脂質のリポソーム間移動の観測を試みた。蛍光エネルギー移動の経時的な減少により、蛍光標識脂質がLUV間を移動することが示唆されたが、その速度は非常に遅いため、18年度の中性子散乱による観測においては、より短鎖の脂質を用いる必要があることが判明した。
18年度は中性子散乱(東大物性研SANS-U)のマシンタイムが割り当てられたので、まず短鎖の蛍光標識ジミリストイルフォスファチジルエタノールアミンを用いた蛍光エネルギー移動観察により、この脂質の移動速度を見積もった後、中性子散乱によってLUV間、及びapoA-I-脂質複合体間の脂質交換反応を観察する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Detection of Bilayer Packing Stress and Its Release in Lamellar-Cubic Phase Transition by Time-Resolved Fluorescence Anisotropy2005

    • 著者名/発表者名
      M.Nakano, T.Kamo, A.Sugita, T.Handa
    • 雑誌名

      Journal of Physical Chemistry B 109/10

      ページ: 4754-4760

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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