研究課題
アニオン性のポリオキソメタレート(POM)と、有機アンモニウムおよびクラウンエーテル等を組み合わせ、嵩高いカウンターカチオンを導入することで、孤立状態のPOMを含む結晶を作製した。POMして典型的なKegginを用いた。その結果、数種類の結晶を得ることが出来た。得られた結晶について、X線構造解析(既存)を行い、構造を評価した。予想通り、Kegginは孤立しており、それを反映して、Curie的な磁性を示した。典型的なドーナツ型POMに長鎖アルキルアンモニウムをカウンターカチオンとして導入し、薄膜化を行う。あらかじめ塩を合成し、それを用いて単分子膜を形成させ、LB法により薄膜を得た。また、スピンコート法により薄膜を作製し、これらの膜について、AFM等により構造評価を行った。POMに存在するモリブデンイオンの一部を鉄イオンなどに置き換えることで、POMに磁性・導電性等の機能を付加することを目指した。通常のPOMにおいてはモリブデンスピン間に反強磁性的な相互作用が存在するため、磁気機能の発現はあまり望めない。一部のイオンを置換することで、巨大分子内に磁気モーメントを生じさせ、分子内の金属イオン間に強磁性的あるいはフェリ磁性的な相互作用をもたらす。本年度は、磁性イオンを共存させ、POMの合成を試みた。今のところ、骨格にヘテロな金属を導入することには成功していないが、磁性イオンをカウンターカチオンとするPOM結晶を幾つか得た。現在、構造評価を行っている。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (14件)
Chemical Physics Letters 418
ページ: 423-427
Crystal Growth and Design 6
ページ: 70-74
J.Am.Chem.Soc. 127
ページ: 4397-4402
Synthetic Metals 150
ページ: 57-61
Inorg.Chem 44
ページ: 3960-3971
ページ: 4454-4456
Eur.J.Inorg.Chem
ページ: 3271-3276
Advanced Materials 17
ページ: 1937-1941
J.Am.Chem.Soc 127
ページ: 10012-10013
J.Chem.Phys 123
ページ: 044514(5pages)
J.Phys.Chem 109
ページ: 16610-16615
Angew.Chem.Int.Ed. 44
ページ: 7283-7287
Polyhedron 24
ページ: 2844-2848
ページ: 2160-2164