研究課題/領域番号 |
17655058
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 健太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40281589)
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研究分担者 |
塩谷 光彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (60187333)
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キーワード | シリコン / 有機単分子膜 / 原子間力顕微鏡 / ハイドロシリレーション / 自発的集積化 / 赤外分光 / 陽極酸化 |
研究概要 |
シリコン基板上の有機単分子膜の構造・物性を制御することは、リソグラフィーや半導体産業などへの応用の観点から、今日まで広く研究されている。末端アルケンを用い、水素終端したシリコン(111)表面(H-Si(111))上にハイドロシリレーションによって作成した有機単分子膜は、(1)H-Si(111)の表面構造が、原子レベルで規則的であること、(2)基板と有機分子がSi-C共有結合によって固定されることから、単分子膜の反応性と配向性がSi(111)の単結晶構造と有機分子の骨格構造の相関性に大きく影響されると考えられる。Si(111)上では、末端アルケンと反応しうるSi原子が3.8Åの距離でヘキサゴナルに配列している。この距離はアルキル鎖断面の直径よりも短いので、すべての表面Si原子にアルキル鎖が導入されることは立体的に不可能である。よって、アルキル鎖に置換されるH-Si基の割合や、生成する単分子膜の密度、パッキング構造は、単分子膜形成分子のラテラル方向のサイズに依存すると考えられる。そこで本研究では、さまざまな単分子膜形成分子をデザインし、単分子膜形成反応および単分子膜の分子配向を詳細に検討した。Si(111)上での単分子膜形成反応および生成した単分子膜の構造体、アルキル鎖の長さや本数、オレフィンの反応性といった単分子膜形成分子の分子構造に大きく依存することがわかった。また、Si(111)面の結晶格子とジアルキル型分子による単分子膜の結晶構造がよく一致すると考えられる。
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