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2005 年度 実績報告書

ナノ薄膜形成の新規展開-ナノ粒子・ナノ自己集合体の集積場構築への挑戦-

研究課題

研究課題/領域番号 17655062
研究機関九州大学

研究代表者

荒殿 誠  九州大学, 大学院理学研究院, 教授 (20175970)

研究分担者 松原 弘樹  九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (00372748)
キーワード油レンズの濡れ転移 / 油溶液ナノ薄膜 / 非濡れ / 擬部分濡れ / 臨界濡れ / 偏光解析 / 水溶液ナノ薄膜
研究概要

1.油溶液ナノ薄膜作成とナノ粒子集積
空気/油レンズ/無機塩水溶液系の部分濡れから擬部分濡れへの状態転移、さらに臨界濡れ状態への転移を利用して、水溶液表面にナノ粒子集積場としての油溶液ナノ薄膜を形成する条件を、薄膜形成原理の諸条件を制御しながら探索した。実験系として空気/ヘキサン/(NaCl+臭化ドデシルジメチルアンモニウム)水溶液系を採用した。界面活性剤無添加系では、塩化ナトリウム存在下で薄膜とレンズの共存状態(擬部分濡れの状態)が実現した。偏光解析により、15℃では約5nmである薄膜が、温度の上昇により35℃付近では約10nmにまで徐々に上昇することが示された。さらに40℃近傍では膜厚は約50nmへと発散的に急激に上昇し、臨界濡れ状態へと転移したと考えられる。したがって約5nmから約10nmの薄膜厚みを温度で制御し、粒子集積場となりうることを示した。さらに界面活性剤の濡れ挙動への影響を調べた。0.01mM程度の濃度では濡れ挙動や膜厚に大きな影響を及ぼさないが、臨界ミセル濃度以上である1mMでは、膜厚は約5nm以下で殆ど温度によらず一定であり、臨界濡れも示さないことがわかった。通常界面活性剤の吸着は非濡れ-擬濡れ転移を促進するが、今回の実験結果は臨界濡れへの転移はむしろ抑制されることを示している。この点の詳細な理解はこれからである。この研究成果により、限られた条件下ではあるが、水溶液表面にナノ粒子集積場を構築できることが示された。実際のナノ粒子集積のための情報は収集中である。
2.侵入現象を利用した水溶液ナノ薄膜形成条件の探索
フルオロカーボン系油およびイオン液体を用いた水溶液ナノ薄膜形成について現在研究を進めている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Ellipsometric search for vapor layers at liquid-hydrophobic solid surfaces2006

    • 著者名/発表者名
      Y.Takata et al.
    • 雑誌名

      Langmuir (in press)

  • [雑誌論文] Lattice model for the wetting transition of alkanes on aqueous surfactant solutions2006

    • 著者名/発表者名
      H.Matsubara et al.
    • 雑誌名

      Langmuir 22

      ページ: 982-988

  • [図書] Colloid Stability - The role of Surface Forces2006

    • 著者名/発表者名
      Matsubara et al.
    • 出版者
      Elsevir (in press)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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