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2006 年度 実績報告書

ナノ薄膜形成の新規展開-ナノ粒子・ナノ自己集合体の集積場構築への挑戦-

研究課題

研究課題/領域番号 17655062
研究機関九州大学

研究代表者

荒殿 誠  九州大学, 大学院理学研究院, 教授 (20175970)

研究分担者 松原 弘樹  九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (00372748)
キーワード油レンズの濡れ転移 / 油溶液ナノ薄膜 / 非濡れ / 擬部分濡れ / 臨界濡れ / 偏光解析 / 水溶液ナノ薄膜
研究概要

1.水/ヘキサデカン/テトラエチレングリコールモノオクチルエーテル系の薄膜形成と濡れ挙動
この系は室温付近に上部臨界溶解温度と下部臨界溶解温度をもち、この温度範囲では水相/活性剤相/油相の3相系が実現する。それぞれの臨界溶解温度近傍では非濡れ状態から完全濡れ状態への臨界濡れ転移が知られている。一方これまでの我々の濡れ転移に関する研究から、一定温度で界面活性剤の濃度を変化させるとき、空気/油レンズ/水溶液系では、非濡れから擬非濡れ(薄膜共存)転移が、吸着膜の相転移と共同的に起こる。したがって臨界濡れ転移と非濡れから擬非濡れ(薄膜共存)転移のインタープレイを期待して、この系の濡れ転移研究を開始した。界面活性剤が油相にも分配し、平衡状態を得ることが難しい系であるが、現段階で空気/油レンズ/水溶液系での非濡れから擬非濡れ転移が、表面張力とエリプソメトリーの両方の実験から確認されている。今後平衡組成を決定したのち、詳細な議論が可能となる。
2.油溶液ナノ薄膜作成とナノ粒子集積
昨年度、空気/油レンズ/無機塩水溶液系の部分濡れから擬部分濡れへの状態転移、さらに臨界濡れ状態への転移を利用して、水溶液表面にナノ粒子集積場としての油溶液ナノ薄膜を形成する条件を、空気/ヘキサン/(NaCl+臭化ドデシルジメチルアンモニウム)水溶液系において、薄膜形成原理の諸条件を制御しながら探索した。界面活性剤無添加系では、塩化ナトリウム存在下で薄膜とレンズの共存状態(擬部分濡れの状態)が実現でき、偏光解析により、15℃では約5nmである薄膜が、温度の上昇により35℃付近では約10nmにまで徐々に上昇することが示された。さらに40℃近傍では膜厚は約50nmへと発散的に急激に上昇し、臨界濡れ状態へと転移したと考えられる。したがって約5nmから約10nmの薄膜厚みを温度で制御し、粒子集積場となりうることを示した。現在この研究成果によりえられた薄膜中へのシリカ粒子集積を実験中である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 図書 (1件)

  • [図書] Surface forces in wetting phenomena in Fluid systems In Colloid Stability (Ed. By TF. Tadros)2006

    • 著者名/発表者名
      H.Matsubara, M.Aratono
    • 総ページ数
      18
    • 出版者
      Wiley-VCH

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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