研究概要 |
研究期間の最終年度として,当初の研究計画を実現すべく,磁気ビーズ上に担持された高付加価値・高機能触媒の開発を目指し,研究を行った。昨年度までに見いだしている銅イオンと4,4-ビピリジンからなるハイブリッドポリマーをアミノ官能基を表層に有する磁気ビーズに担持し,有機一無機ハイブリッドポリマーでコーティングされた磁気ビーズを得た。有機-無機ハイブリッドポリマーカプセル化磁気ビーズは,シリルエノラートを基質にするα-ヒドロキシケトンへの酸素酸化の良好な触媒となり,反応終了後には磁気分離により,触媒を定量的に回収することができ,5回の再利用においても重篤な触媒活性の低下を引き起こすことなく用いる事ができた。 さらに,本手法の一般性を示すべく,種々の金属塩と4,4-ビピリジンからなる有機-無機ハイブリッドポリマーを磁気ビーズ上に構築し,その触媒活性を網羅的に検討した。このようなコンビナトリアルケミストリー的な研究を展開することにより,従来の手法では得ることが困難であった有機-無機ハイブリッドポリマーの調製とその触媒活性の評価を行うことに成功した。 以上のように,高付加価値・高機能触媒の磁気分離と題して行った本萌芽研究において研究計画に沿った研究を適正に実施し,上記に示すような特徴ある合成プロセスの実現することで目標を達成することができた。
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