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2006 年度 実績報告書

サイズ制御エンドサイトーシス:ドラッグデリバリーの新戦略をめざして

研究課題

研究課題/領域番号 17655078
研究機関京都大学

研究代表者

青山 安宏  京都大学, 工学研究科, 教授 (00038093)

キーワードウイルス / 人工ウイルス / サイズ効果 / 遺伝子送達 / トランスフェクション / セラソーム / リポソーム / 融合
研究概要

セラソームは、細胞膜モテルとしてのリポソームの構造不安定性を克服するために、脂質二分子膜ベシクルの表面をシリカセラミックスの骨格で被覆した新規の人工細胞膜である。カチオン性の合成脂質から形成され、表面がゾル-ゲル反応によりセラミック(シリカ)架橋されたセラソームは、細胞がエンドサイトーシスでベクターを取り込むのに最適なウイルスサイズ(数十nm)の粒径をもち、遺伝子(プラスミド)と複合体を形成しても、膜融合による形態変化を起こさないことがわかった。これは、従来型のカチオン性リポソームでは遺伝子との複合化によって膜融合を起こしてサイズが増大するのと対照的である。その結果、HeLa細胞やHepG2細胞への遺伝子導入において、これまでのカチオン性リポソームに比べて100倍から1000倍もの極めて高い効率での遺伝子導入が可能になった。このセラソームは細胞毒性も低く、血清存在下でも使用可能であり、細胞にやさしい遺伝子キャリアーとして利用できることが明らかになった。ただし、高濃度条件下ではセラソーム/プラスミド複合体は架橋により巨大化することも明らかになり、今後克服すべき問題として残った。一方、プラスミドの代わりに小さな21塩基対のsiRNAを用いると融合も架橋も起こらず、適正なウイルスサイズを維持する。その結果、セラソームは遺伝子発現を制御するsiRNAのキャリアーとしてきわめて有効であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] RNAi Silencing of Exogenous and Endogenous Reporter Genes Using a Macrocyclic Octaamine as a "Compact" siRNA Carrier. Studies on the Nonsilenced Residual Activity2006

    • 著者名/発表者名
      K.Matsui, S.Horiuchi, S.Sando, T.Sera, Y.Aoyama
    • 雑誌名

      Bioconj.Chem. 17

      ページ: 132-138

  • [雑誌論文] Cerasome as an Infusible, Cell-Friendly, and Serum-Compatible Translation Agent in a Viral Size2006

    • 著者名/発表者名
      K.Matsui, S.Sando, T.Sera, Y.Aoyama, Y.Sasaki, T.Komatsu, T.Terashima, J.Kikuchi
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc. 128

      ページ: 3114-3115

  • [雑誌論文] Systematic Lactose-Functionalization of Amphiphilic Octaamine Macrocycle. Optimization of the Charge, Size, Toxicity, and Receptor Factors for Hepatocyte Targeting2006

    • 著者名/発表者名
      S.Horiuchi, Y.Aoyama
    • 雑誌名

      J.Cotrolled Release 116

      ページ: 107-115

  • [雑誌論文] Cerasome as an Insoluble and Cell-Friendly Gene Carrier. Synthesis of Cerasome-Forming Lipids and Transfection Using Cerasome2006

    • 著者名/発表者名
      Y.Sasaki, K.Matsui, Y.Aoyama, J.Kikuchi
    • 雑誌名

      Nature Protocols 1

      ページ: 1227-1234

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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