研究課題/領域番号 |
17655090
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉川 信一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10127219)
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研究分担者 |
田村 紘基 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10002023)
武田 隆史 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60344488)
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キーワード | セラミックス / 自己組織化 / ナノ材料 / 無機工業化学 / 磁性 |
研究概要 |
窒化鉄Fe_<16>N_2は巨大磁化をもつ磁性体として期待されているが、熱的に準安定であるために合成が困難である。α-Fe微粒子を原料として100℃程度の低温でアンモニア窒化すると合成できる可能性を既に明らかにした。しかしその生成および磁性の発現には、原料となるα-Fe微粒子の粒径、粒度分布および表面状態が重要である。本研究では、窒化反応の原料となるα-Fe微粒子を、界面活性剤の共存する非水溶液からの自己組織化を利用して生成し、粒径、粒度分布および表面状態を制御した単分散ナノ粒子とすることを目的とした。 安定化剤としての界面活性剤オレイン酸およびオレイルアミンが共存するオクチルエーテル溶媒中において、ペンタカルボニル鉄Fe(CO)_5を熱分解した。単分散性の良いα-Fe微粒子が得られたが、安定化剤/Fe(CO)_5モル比=0.2、0.5、2の場合には、粒径はそれぞれ約5nm、10nm、20nmであった。安定化剤がFe(CO)_5の熱分解反応を抑制して核発生数を抑えるところから、次第に粒径が大きくなった。またオレイン酸のみを安定化剤とした場合には、α-Fe微粒子がより球状になった。安定化剤/Fe(CO)_5モル比を2以上に大きくしても、α-Fe微粒子の粒径は30nm程度が上限であり、強磁性体の生成に有効な100nm程度まで大きく成長させることはできなかった。
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