研究概要 |
Ceをドープした光学結晶BaMgF_4,SrMgF_4の紫外(UV)-真空紫外(VUV)領域のけい光スペクトルを測定した。Ce:BaMgF_4およびCe:SrMgF_4は、紫外領域のレーザー材料の候補として考えられている。Ce:SrMgF_4では、5つのけい光バンド(280nm,300nm,340nm,400nm,470nm)が観測された。高エネルギー側の3つのけい光バンドは、SMF結晶中のCeの超格子構造に起因すると考えられ、低エネルギー側の2つのけい光バンドは、近接するF層の空孔に高エネルギーバンドに関与する電子が捕獲されたことに由来すると考えられる。Ce:BaMgF_4では、紫外光(266nm)照射によって発生する試料の変色によるけい光スペクトルの変化を議論した。 また、新たに製作した真空紫外分光器を用いて、Ndをドープした光学結晶Nd^<3+>:(La_<1-x>,Ba_x)F_<3-x>、を試料として、VUV領域のけい光スペクトルを測定した。LaF_2とBaF_3の混晶複合フッ化物(La_<1-x>,Ba_x)F_<3-x>は、Micro-pulling down(micro-PD)法を用いて合成された。今回、試料として用いたNd^<3+>:(La_<1-x>,Ba_x)F_<3-x>、は、Ndドープ光学結晶Nd^<3+>:BaF_3に対して、優れたVUV領域の光学特性を示した。Nd^<3+>:(La_<1-x>,Ba_x)F_<3-x>は、175nmをピークとして半値全幅12nmの発光ピークを持つことがわかった。
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