| 研究概要 |
本研究は,知的・電子材料システムの設計・開発及び信頼性・耐久性評価に資することを目的に,先端超磁歪材料・薄膜システムの電磁破壊力学特性を,マイクロ・ナノ構造及び磁区等との相互作用を考慮して解明するものである.本年度は,超磁歪材料システム(超磁歪積層材料,超磁歪/圧電積層材料等)のマクロスケールにおける電磁破壊力学特性に影響を及ぼすと考えられるメゾ構造をモデル化し,電磁弾性場の解析を進めている.また,破壊力学パラメータに及ぼす内部微視構造・電磁場の影響を解明するため,超磁歪材料システムにおける電磁破壊・メゾ力学特性に関する理論解折・数値シミュレーション手法の開発も進めている.さらに,超磁歪材料システムの電磁破壊・変形に関する予備実験を行い,破壊力学特性に及ぼす電磁場の影響についても検討を加えている.得られた成果を要約すると以下の通りである.
1.縁に平行なき裂を有する超磁歪帯板の磁気弾性解析を行い,破壊力学パラメータに及ぼす磁場の影響を解明中である.また,外周環状き裂を有する超磁歪円柱の磁気弾性挙動解明を目指し,検討を進めている.
2.超磁歪材料とSUS316からなる超磁歪積層アクチュエータの曲げ試験・有限要素解析を行い,たわみに及ぼす磁場・磁歪層厚さの影響を解明して,興味ある結果を得ている.また,超磁歪積層アクチュエータの層間剥離の発生・進展過程解明を目指し,基礎的研究を進めている.
3.超磁歪/圧電積層アクチュエータの電磁力学特性に及ぼす内部微視構造変化(磁壁移動・分域壁移動等)の影響解明を目指し,圧電/鉄ニッケル積層材料を対象に,曲げ試験・有限要素解析を行い,変形に及ぼす電場・分域壁移動の影響を解明した.また,超磁歪/圧電アクチュエータ特性の電磁場及び磁区・分域依存性についても検討中である.
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