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2005 年度 実績報告書

高エネルギー放射光を利用した高精細X線マイクロトモグラフィによる疲労損傷の検出

研究課題

研究課題/領域番号 17656039
研究機関名古屋大学

研究代表者

秋庭 義明  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00212431)

研究分担者 田中 啓介  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80026244)
木村 英彦  名古屋大学, エコトピア科学研究所, 講師 (60345923)
キーワード高エネルギー放射光 / X線トモグラフィー / 欠陥検出 / 疲労損傷 / 高強度鋼 / はんだ / 介在物 / 複合材料
研究概要

(1)鉄鋼材料の内部の欠陥検出を目的として,高輝度光科学研究センター(SPring-8)のアンジュレータのビームラインBL20XUにて測定を行った.検出器にはシンチレータとCCDカメラを組合せ,屈折コントラスト法を適用することから三次元トモグラフィ像を構築することを試みた.板材の測定は困難であるが,円筒状の試料の測定が可能であることがわかった.直径1mm程度の鉄鋼材料中の欠陥を高精度に検出するためには,最低でも60keVの高エネルギー放射光が必要であることを明らかとした.これを用いて,材料中の介在物(直径10μmのTi化合物)が検出可能であることを示したが,60keVの高エネルギー放射光では,モノクロメータへの熱負荷が大きくなるため放射光の入射強度が安定せず,より低いエネルギーによって測定する必要があることがわかった.これにともなって,試験片の寸法も直径1mm下にすることが必要である.
(2)軸受鋼SUJ2の直径1.2mmの丸棒試験片を用いて,超長寿命の疲労強度となる応力レベルでの試料内部のファセット疲労き裂の検出を試みた.超音波疲労試験機を用いて,寿命比に対して0.1程度から0.9程度まで負荷した試料を測定した.直径10μm程度の介在物の検出は可能であるが,ファセットき裂を検出するためには,引張負荷下での測定が必要であることがわかった.
(3)電子部品材料では,はんだ中の熱サイクル疲労が問題となるため,はんだ接合部の測定を行った.この場合,欠陥は比較的大きいため,60keVでの検出が可能であることがわかった.本手法は熱疲労欠陥の拡大の検出に有効であることが示唆された.
(4)ガラス短繊維で強化した高分子基複合材料の測定を行い,強化繊維および疲労損傷によるき裂の検出を試みた.この場合には,20keVでの測定が可能であり,高い精度で,すなわち高空間分解能での高精細X線マイクロトモグラフィが可能であることが明らかとなった.疲労損傷材の測定を行い,疲労によって発生したき裂が明確に検出できることを示すとともに,今後,繰返しにともなう疲労き裂の拡大を測定するための基礎データを得ることができた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] EBSD-AFM hybrid analysis of fatigue slip system and crack initiation in polycrystalline metal under cyclic torsional loading2005

    • 著者名/発表者名
      Y.Wang, H.Kmiura, Y.Akiniwa, K.Tanaka
    • 雑誌名

      Proc.2005Int.Symp.Micro-NanoMechatronics and Human Science

      ページ: 223-228

  • [雑誌論文] 固体酸化物型燃料電池(SOFC)の高温酸化・還元サイクルにおける内部応力の挙動2005

    • 著者名/発表者名
      田中啓介, 秋庭義明, 木村英彦, 町屋修太郎, 土肥宜悠, 鵜飼健司, 鷲見裕史, 水谷安伸
    • 雑誌名

      日本材料学会第40回X線材料強度に関するシンポジウム講演論文集

      ページ: 90-93

  • [雑誌論文] プリント基板金属配線部の放射光による内部応力測定2005

    • 著者名/発表者名
      伊藤登史政, 浅井洋光, 宮川進, 田中啓介, 秋庭義明
    • 雑誌名

      日本材料学会第40回X線材料強度に関するシンポジウム講演論文

      ページ: 150-153

  • [雑誌論文] 高強度鋼の長疲労寿命域における切欠き効果2005

    • 著者名/発表者名
      秋庭義明, 鶴尋貴, 宮本宣幸, 田中啓介
    • 雑誌名

      日本材料学会第27回疲労シンポジウム講演論文集

      ページ: 53-56

  • [雑誌論文] 合金工具鋼のギガサイクル疲労強度評価2005

    • 著者名/発表者名
      宮本宣幸, 浅井洋光, 宮川進, 秋庭義明, 田中啓介
    • 雑誌名

      日本材料学会第27回疲労シンポジウム講演論文集

      ページ: 16-19

  • [雑誌論文] 複合荷重下での疲労き裂の進展経路の予測2005

    • 著者名/発表者名
      田中啓介, 高橋弘樹, 加藤拓也, 秋庭義明
    • 雑誌名

      日本材料学会第27回疲労シンポジウム講演論文集

      ページ: 65-68

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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