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2005 年度 実績報告書

多層カーボン・ナノチューブを利用するナノスケール回転-往復運動変換機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17656044
研究機関同志社大学

研究代表者

北川 浩  同志社大学, 工学部, 教授 (30029095)

研究分担者 尾方 茂信  大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (20273584)
キーワード計算物理 / ナノ材料 / ナノチューブ・フラーレン / 分子機械 / マイクロ・ナノディバイス / 往復-回転運動変換 / Brownモーター
研究概要

分子動力学法により,二層カーボン・ナノチューブにより構成される,シャフト-スリーブモデルの動特性解析を行って,つぎのような成果を得た.モデルは,端部を閉じ両端に水素原子を配して,回転を拘束することなく軸方向荷重を支えた内層CNT(シャフト)と,一端面の炭素原子を軸方向の自由度のみを残して拘束した外層CNT(スリーブ)からなり,スリーブの軸方向変位を制御する構造を持つ.
a)シャフトとスリーブ間に,軸方向にらせん状の構造的な非対称性があるモデルでは,スリーブの軸方向変位によってシャフトは(ネジ-ナットの機構に似て)回転運動を生じる.
b)シャフト-スリーブ間に非対称性がない場合には,シャフトの固有振動数に対応した,小さい振幅の回転振動を生じる。この振動は,スリーブの軸方向変位によってによって励起された自励振動と熱振動により引き起こされるBrown運動の合成されたものと考えられる.
c)シャフトをわずかに傾けて,回転運動にかかわるポテンシャルに円周方向の傾きを付けると,自励振動の振幅は急速に増大して,一方向の回転運動を生じる.その回転角速度は加速度的に増大する時期を経て定常状態に達する.
d)断熱状態で同様の解析を行うと,振幅の大きなリーブの軸方向変位による自励振動を生じるが,回転に至らない.
e)回転角速度が加速度的に増大した状態に達するとスリーブの軸方向変位を止めても回転は止まらない.この回転は(エネルギーが熱振動によって供給されている)Brownian Ratchet機構によるもとの考えられる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Chirality Dependence of Mechanical Properties of Single-Walled Carbon Nanotubes under Axial Tensile Strain2005

    • 著者名/発表者名
      H.Mori, Y.Hirai, S.Ogata, S.Akita, Y.Nakayama
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Applied Physics (letter) 44-42

      ページ: L1307-L1309

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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