研究課題
実現象の流れの数値シミュレーションと計測結果との誤差をシミュレーションに適切にフィードバックすることにより、シミュレーションの解析精度と計算速度が飛躍的に向上する。この計測融合シミュレーションは、計測と数値シミュレーション両手法の長所を兼ね備えた第3の研究手法として期待されている。これまで正方形管路内の乱流、一様流中におかれた角柱後流のカルマン渦列、大動脈内の血流の計測融合シミュレーションで、非定常流れの変動成分も含めた実現象の流れ場の再現が可能であることが示されている。しかしながら、流れの普遍的な解析手法として計測融合シミュレーションを用いるためには、その一般理論の構築が不可欠である。本研究は、非圧縮粘性流体を対象として、計測融合シミュレーションの一般的な定式化を行って、その収束性解析および誤差解析のための理論的枠組みを与えるとともに、数値実験により本理論の妥当性を検証することを目的として行った。本研究計画は、計測融合シミュレーションの一般理論の構築と、数値実験による検証の2つの研究項目よりなる。平成18年度に実施した研究は以下のとおりである。計測融合シミュレーションの実用問題への適用に関する検討を行った。臨床現場での血流計測に広く用いられている超音波診断装置では、血流速度の超音波ビーム方向の血流速度成分の血管断面内分布がリアルタイムで得られる。体循環系の血流を模擬できる実験装置を用いて超音波計測による計測を行って実験データを得た。超音波計測データを基に、従来の計測では得られない、血管内の三次元血流構造や圧力分布などを計測融合シミュレーションで高精度に再現するための最適フィードバック則を本理論に基づき決定するための検討を行い、本手法の有効性に関する知見を数値実験と実験の両面から得た。前年度に検討した線形フィードバック則の有効性を具体的な問題に適用し、その有効性を確認するための数値実験を行い、有用な知見を得た。
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