研究課題
平成18年度では前年度で得られた成果を踏まえて研究を実施した。すなわち、平成17年度においては、(財)鉄道総合技術研究所の協力により、誘導集電により発生するエネルギーを用いて制御することにより、車体の振動減衰効果がある事を確認し、その微小エネルギーを有効利用すれば、車体軽量化に伴って発生しやすい車体の弾性振動が抑制できることを、車体に取り付けたピエゾ素子による微振動制御実験装置(東京農工大学所有)により確かめた。平成18年度においては、実験条件の見直しや設計パラメータの調整を行い、グランド・コントロール原理の定式化と応用を含めた体系化をおこなった。すなわち誘導集電で得られるレベルの制御エネルギーを定量的に考察し、(1)ばね下質量の直接制御方法、(2)2次支持系によるばね上質量の制御方法、(3)ピエゾ素子による弾性振動の制御方法(スマート構造)について、それらの制御方式におけるアクチュエータ、センサーの種類、配置、制御性能、エネルギーバランス、について定量的に考察した。その結果、(1)ばね下質量の直接制御方法は、誘導電流の範囲内でわずかな減衰力付与が可能で数Hz程度の振動制御に格段の効果があること、一方(2)2次支持系による制御方法は制御エネルギーが十分でないこと、が分かった。また、(3)弾性振動の制御方法(スマート構造)においては、アクティブ、セミアクティブ、パッシブの各方式について考察し、エネルギー消費の少ないパッシブ回路による制御でも振動制御効果があることを確認できた。以上から、磁気浮上走行する車両を振動制御するための基本原理を、模型装置による実験と振動制御理論に基づいて体系的にまとめ、車両以外の分野へも応用できる成果が得られた。
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The 4^<th> International Symposium on Speed-up and Service Technology for Railway and MAGLEV Systems STECH2006, Chengdu, China 7月13-17
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