研究概要 |
本年度に行った研究によって得られた成果は以下の二つである。 1.形態と動力学を利用した自然で効率のよい平地歩行手法 受動歩行を規範とすることで、ロボットの動力学、および、環境との相互作用を利用した効率のよい歩行の生成が期待できることに着目し、上体の利用と遊脚制御の導入による受動歩行規範型の平地歩行手法を提案した。遊脚制御ゲインの値により,受動歩行と同様に周期倍分岐やカオス的歩容が現れることを示し、さらに、受動歩行に見られない現象として逆分岐が発生することを確認した。実機の実現に向けて、膝つき歩行モデルへの拡張を行った。膝の屈伸運動により歩行途中において遊脚と地面との接触を回避し、膝のロック機構により支持脚の倒立振子運動を可能とすることで、腰部二つのアクチュエータのみで広範囲の速度において効率のよい安定した歩行が達成されることを示した。 2.上体制御とCentral Pattern Generatorを融合した環境変動にロバストな歩行手法 非線形動力学と生物学的リズム発生の知識を融合した歩行手法として、受動歩行規範による平地歩行手法で得られた上体制御方法とCentral Pattern Generatorによる脚運動を融合した歩行手法を提案した。遺伝的アルゴリズムを用いたCentral Pattern Generatorのパラメータ決定法を提案した。上体の目標保持角度に応じて二足歩行ロボットは様々な速度で歩行が可能であり、かつ、Central Pattern Generatorによる歩行手法の特徴である環境変動に対するロバスト性を有していることを確認した。平地と斜面が混在するような複雑な地面上を歩行することが可能であり、また、外力に対してロバスト性を有していることを確認した。
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