研究課題/領域番号 |
17656088
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荒木 勉 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (50136214)
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研究分担者 |
安井 武史 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助手 (70314408)
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キーワード | テラヘルツ電磁波 / リモート計測 / 塗装膜厚 / 塗装膜剥離 / THzトモグラフィー / 実時間計測 / 2次元断層画像 |
研究概要 |
本研究ではテラヘルツ(THz)電磁波による金属蔓塗装剥離の遠隔検出を目指している。このような剥離の非破壊検査では、内部の様子を階層的に検査できる断層画像撮影技術は極めて有効である。そこではじめに機械走査によるTHz断層画像計測システムを試作し、剥離検出を行なった。しかし実用性を考慮すると高速で2次元断層イメージを取得する必要がある。そこで、次にTHz波の光としての並列性に注目し、電気光学的時間一空間変換と線集光THz結像光学系を利用して、機械的走査機構を用いることなく、高速で2次元断層分布の取得が可能になる手法を考案した。このアイデアに基づいた実時間2次元THzトモグラフィー装置を試作し、塗装された移動基板の表面変化の様子、ならびに塗装直後から乾燥にいたる膜厚の経時変化を追跡し、試作装置の性能を評価した。以下に成旺を列挙する。 (1)1mmごとのビーム移動による点計測によって10mm四方のアルミ基板上の白アルキド樹脂塗装剥離を検出できた。剥離に対する奥行分解は40μmで最大500μmの剥離が確認できた計測時間は5分であった。 (2)実時間2次元トモグラフィーにおいては、300μm厚に塗装された物体を5mm/秒で移動させた場合、ムービー上に順次塗装膜に対応した1Hzエコー像が表示された。膜厚に関する分解はさきほどと同様40μmである。 (3)20分間の連続した乾燥による塗装膜厚の変化がムービー上に記録され、塗装完走に対する情報が検出できた。 (4)膜厚に対する分解能向上のため新たに重回帰アルゴリズムを適用し、20μmの分解能を達成した。 なお、以上の成旺はNHK教育テレビ「サイエンス・ゼロ」(2007.2.23)で放映された。
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