研究課題/領域番号 |
17656092
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
日高 邦彦 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (90181099)
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研究分担者 |
熊田 亜紀子 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (20313009)
三田 吉郎 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (40323472)
松岡 成居 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (10114646)
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キーワード | 静電容量型表面電位計 / MEMS / 帯電測定 / 信号変換集積回路 / サブミクロン / 沿面放電 / Lカーブ手法 / 正則化 |
研究概要 |
本研究は空間分解能が10μmに達する高分解電荷密度分布測定システムを開発することを目的とする。沿面放電現象を測定対象としている。本システムは、誘導型の表面電位計(測定プローブ)を沿面放電を進展させる絶縁物の裏側に埋め込む形をとる。測定プローブの出力を、(a)オシロスコープを用いて読み取るタイプのプロトタイプセンサおよび(b)c-MOSにより直読するタイプのセンサの開発を進めた。 まず、申請者によって提案された分解能評価手法を利用して、空間分解能が10μmとなるような測定システムの仕様を決定したその結果、分解能は沿面放電を進展させる誘電体厚みおよびプローブサイズの影饗を受け、空間分解能が10μmとなるには、少なくとも厚みを5μm以下、プローブ直径を3μm以下にするのが望ましいことがわかった。入手可能性を考慮し、沿面放電を這わせる誘電体としては厚み2μmのSiO2を選定した。なお、分解能評価手法をまとめて、2006年9月に西安で開催された気体放電とその応用国際会議において発表を行った。次に、厚み2μmのSio2膜上にドープシリコン製電極をLSI技術で配置し、立ち上がり100ns、10ms幅のパルス電圧を印加し、SiO2膜の耐電圧を測定した。その結果破壊電界は4MV/cmと文献値と比較しても妥当な値が得られた。 以上の結果を基に、プロトタイプセンサを設計し、本学武田先端知ビルのスーパークリーンルームで自作した。プロトタイプセンサは10μmの沿面ギャップ中に直径1μmの帯電測定プローブを3個;配置したもので、プローブ出力をオシロスコープにより測定する構造である。沿面放電現象を測定し!たところ、S/Nを向上させるには、(b)のタイプのセンサの開発が必要不可欠であることが判明した。最終的にc-MOS直読回路を実現できる設計仕様を完成するに至った。
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