研究課題
Siナノ構造を用いた発光を高輝度化するために、モノシランガスの減圧CVD法を用いたSi量子ドットの自己組織化形成とリモートAr/H_2による表面処理、リモートO_2プラズマによるSiドット表面酸化を同一チャンバー内で繰り返して、Si量子ドット立体集積構造を形成する技術を確立した。その上で、既述ドライ一環プロセスで形成した、Siドット立体集積構造を活性層として、極薄(40nm)Auゲートダイオード構造を作成し、半透明Auゲートから電子注入、p-Si(100)基板から正孔注入することにより、Siドット6層の場合、-10V以下の電圧を印加すると、可視-近赤外域で、電流注入による室温発光を確認した。また、ドット集積構造の下地酸化膜厚依存性を評価した結果、膜厚の薄膜化に伴い、発光強度も減少していることが分かった。これは、ドット内に電子が閉じ込められず、基板へのトンネルしたためと考えられる。ドットサイズ依存性を評価した結果、ドットサイズの減少に伴い、発光ピークが高エネルギー側にシフトした。これは、量子サイズ効果によるSiドットのエネルギー準位の離散化と、ドット表面酸化膜厚増加による電子の閉じ込め効果の改善で解釈できる。さらに、Siドット形成時にHe希釈PH_3ガスをデルタドープすることによって、SiドットPが添加された結果、約1.3倍発光強度が増大することが分かった。また、発光の立ち上がり電圧は約4V減少し、電流も1/2.5になった。これは、Siドットのエネルギーバンドが変調されるによって、発光過程の律速となっていると考えられるホールの注入レートが増大した結果であると、解釈することができる。次年度においては、Pを添加することによるエネルギーバンド構造および集積立体構造内、特にドットと酸化膜の界面に存在すると考えられる、非発光欠陥準位への影響を明らかにし、Pドープによる発光効率上昇のメカニズムを明らかにすることで、より高効率化をめざす。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (4件)
Abst. of 2005 Asia-Pacific Workshop on Fundamentals and Applications of Advanced Semiconductor Devices
ページ: 173-176
Abst. of 2005 China Int.conf. on Nanoscience & Technology
ページ: 126
Abst. of 2005 Int.Meeting for Future of Electron Devices
ページ: 93-94
Abst. of First Int.Workshop on New Group IV Semiconductor Nanoelectronics
ページ: 47-48