研究課題/領域番号 |
17656110
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
鈴木 彰 立命館大学, 総合理工学研究機構, 教授 (10111931)
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研究分担者 |
荒木 努 立命館大学, 理工学部, 講師 (20312126)
江村 修一 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90127192)
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キーワード | 窒化アルミニウム / ガドリニウム / 希土類 / スパッタ法 / 紫外発光 / ワイドギャップ半導体 / 内殻遷移 / 結晶薄膜 |
研究概要 |
1.薄膜作製:高周波スパッタ法でGd添加AlN薄膜を作製するための基礎検討を、Si基板上で行った。まず、Al金属板をターゲットとし、アルゴンと窒素の混合ガス雰囲気でスパッタリングを行い、高周波電力、ガス比、作製時間等を変えて、均一なAlN薄膜の作製条件を求めた。その結果、高周波電力200Wで、厚さ約500nmのAlN膜を得ることができた。ついで、Alターゲット上にGd金属薄片を置くことにより、Gd添加のAlN膜を作製した。比較のために、高周波電力2kWで作製したGd添加AlN膜を外部材料メーカーより購入した。 2.結晶品質評価:走査型電顕で表面観察を行った結果、200Wで作製したGd添加AlN膜は、表面平坦な膜であったが、比較のための2kWで作製した膜は、均一な膜の上に粒上の異物が認められた。結晶性をX線回折で評価したが、いずれの場合も明瞭な回折ピークが見られず、結晶軸がSi基板の結晶軸から傾斜している可能性があり、今後詳細に調べる。 3.発光特性評価:カソードルミネセンスで発光を調べた。Gdを添加しないAlN膜からは、発光が得られなかったが、Gdを添加したSi(100)基板上のAlN膜からは、波長317nm付近の鋭い紫外発光ピークが得られた。Si(111)基板上では発光は観測できなかった。一方、2kWで作製した薄膜からは、Si(111)、Si(100)基板上とも、更に強い紫外発光が得られたが、307nm、313nm、318nmの3本の発光ピークが観測され、それぞれの強度比が試料ごとに異なった。これらの発光の起源はGd原子の内殻遷移によるものと考えられ、本研究の目的である、スパッタ法で作製した薄膜で、Gd内殻遷移による鋭い紫外発光が得られることが明らかになった。 4.技術調査:窒化物半導体国際会議、応用物理学会で関連技術の調査を行った。
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