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2006 年度 実績報告書

協同トンネル現象を利用した量子計算アーキテクチャと構成デバイスの開拓

研究課題

研究課題/領域番号 17656111
研究機関北海道大学

研究代表者

雨宮 好仁  北海道大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (80250489)

研究分担者 浅井 哲也  北海道大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (00312380)
廣瀬 哲也  北海道大学, 大学院情報科学研究科, 助手 (70396315)
キーワード量子計算 / 単電子 / 協同トンネル / アナログ計算法
研究概要

単電子回路を用いてホップフィールドネットワークに量子効果を導入してアナログコンピューティングのデバイスとすることを提案した。アナログコンピューティングは「与えられた数学の問題を相似の物理系に置き換え、その物理系の挙動を観察することで元の問題を解く」という計算アーキテクチャであり、組合せ最適化問題などの求解に適している。組合せ最適化問題には例として巡回セールスマン問題,ナップサック問題,最大充足問題などがある。いずれも工学的に広い応用分野を持っているが、従来の「アルゴリズム-ノイマン-ブール代数」の計算アーキテクチャでは計算時間を要して扱いにくい問題である。これに対してアナログコンピューティングでは、組合せ最適化問題のコスト関数を相似の物理系のエネルギー関数に置き換える。その物理系が状態遷移してエネルギー最小となった状態を観察して元の問題を解く。その求解プロセスは本質的に並列演算であり、問題のサイズによらない高速求解が期待できる。
しかしアナログコンピューティングには「エネルギー関数のローカルミニマム」という大問題があり、実際には得られた解が常に正解であるとは限らない。したがって、これまではアナログコンピューティングの並列性を十分に発揮することができなかった。そこで単電子回路を用いてホップフィールドネットワークに量子効果を導入することを提案した。単電子回路においては、2つかそれ以上の複数接合でトンネル事象が同時に(コヒーレントな結合として一体的に)起こる現象がある。これを「協同トンネル現象」という。単電子トンネル接合をしきい要素として使用し、そのネットワークにおける協同トンネル現象を利用することで、複数のしきい要素が同時に状態変化するようなネットワークを提案した。その動作をシミュレーション上で確認し、ローカルミニマム問題が生じないことを示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Neuromorphic MOS circuits exhibiting precisely-timed synchronization with silicon spiking neurons and depressing synapses2006

    • 著者名/発表者名
      Tovar G.M.
    • 雑誌名

      Journal of Signal Processing vol. 10

      ページ: 391-397

  • [雑誌論文] Single-electron logic systems based on a graphical representation of digital functions2006

    • 著者名/発表者名
      Amemiya Y.
    • 雑誌名

      IEICE Transactions on Electronics vol. E89-C

      ページ: 1504-1511

  • [雑誌論文] Spiking neuron devices consisting of single-flux-quantum circuits2006

    • 著者名/発表者名
      Hirose T.
    • 雑誌名

      Physica C vol. 445-448

      ページ: 1020-1023

  • [雑誌論文] A CMOS watchdog sensor for certifying the quality of various perishables with a wider activation energy2006

    • 著者名/発表者名
      Ueno K.
    • 雑誌名

      IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer vol. E89-A

      ページ: 902-907

  • [雑誌論文] A subthreshold analog MOS circuit for Lotka-Volterra chaotic oscillator2006

    • 著者名/発表者名
      Asai T.
    • 雑誌名

      International Journal of Bifurcation and Chaos vol. 16

      ページ: 207-212

  • [雑誌論文] Neuronal synchrony detection on signle-electron neural network2006

    • 著者名/発表者名
      Oya T.
    • 雑誌名

      Chaos, Solitons & Fractals vol. 27

      ページ: 887-894

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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