研究課題/領域番号 |
17656116
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
三村 秀典 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (90144055)
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研究分担者 |
根尾 陽一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (50312674)
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キーワード | ディスプレイ / 電界放射微小電子源 / 蛍光体 / 2段ゲート構造 / 光閉じ込め / TiO2:Eu / スピント型 / 電子収束 |
研究概要 |
画素サイズがナノオーダーの超高精細ディスプレイを実現するための最も重要な要素技術である、ナノ領域に収束できる電界放射微小電子源と新しい概念の蛍光体である電子線励起レーザ蛍光体の実現を目指した研究を行った。 1.収束ゲート電極と電子の引き出しゲート電極を持つ2段ゲート型電界放射陰極は放出電子ビームをナノ領域に収束することができる。しかし、収束ゲート電極を動作させると、放出電流が減少するという欠点がある。シミュレーションにより、収束ゲート電極を動作させても、放出電流を減少させないための条件を検討し、引き出しゲート電極を1・m以上に厚くし、収束ゲート電極の電位の影響を引き出しゲート電極でシールドすることが放出電流を減少させない鍵であることを見出した。 2.SOIウエハーを用い、引き出しゲート電極が1・m以上の厚さのスピント型2段ゲート型電界放射陰極を製作する技術を確立し、製作した微小電子源で電界電子放射を得た。今後、電子ビームの収束特性を評価する。 3.電子線励起レーザ蛍光体の開発を目指して、TiO2:Eu微小球を電子線で励起しその発光特性(カソードルミネッセンス)を測定した。その結果、微小球の光閉じ込め(ウイスパリングギャラリモード)に起因する発光スペクトルの微細構造を見出した。この微細構造は明確に微小球の大きさ(直径)に依存し、直径を変化させることにより、微細構造の間隔が変化することを見出した。これにより、電子線励起レーザ蛍光体実現の可能性が得られた。
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