研究課題
平成17年度は、(1)「LDPC符号化MIMO-OFDM通信方式に関する研究」、(2)「MIMO固有モード伝送を用いた適応変調LDPC符号化ハイブリッドARQの研究」を行った。(1)の研究に関し、近年、移動体通信の高速化と大容量化の伝送が求められ、送受信共に複数本のアンテナを用いるMIMO技術と、高伝送容量のOFDM変調により構成されるMIMO-OFDM技術が注目されている。MIMO通信技術では、受信側は各送信アンテナからの信号が互いに干渉するため、受信信号分離検出を行う必要がある。これに対し、今まで各種の処理方法が提案された。代表としては、時空間ブロック符号化STBCやBLAST方式などである。一方、LDPC符号とsum-productアルゴリズムを用いた復号法は、AWGN通信路におけるシャノン限界に迫る復号特性を有し、また様々な符号化率に対応できる。本研究では、この2つの方式より構成されるLDPC符号化MIMO-OFDM通信方式において、受信機の信号分離検出アルゴリズムとして、並列干渉除去法(PIC)、最尤判定法(MLD)、及び球内復号法(SD)の性能比較検討を行った。特に球内復号法の効率的な実現の為の研究を行った。(2)の研究に関し、MIMOシステムではSISOシステムに比べ、送信アンテナ数をM、受信アンテナ数をNとしたとき、通信路容量がアンテナ数のmin(M、N)倍に増加する。また、通信路の誤り制御方式として高信頼度、高スループットが得られるHybrid ARQ方式が数多く提案されている。本研究では、準静的レイリーフェージングMIMO通信路において固有モード伝送方式を用い、伝送容量の最大化を行うため、各固有モード伝送路の利得に応じて送信電力の最適配分(注水定理に基づく)を行った。またLLR軟値パケット合成及びLDPC符号を適用し、Hybrid ARQのスループット特性を改善した。さらに伝送速度の増大を図るため、64QAM、16QAM及びQPSK変調を用いた適応変調を併用した。さらに64チャンネルのOFDM化を施し、指数減衰12パスレイリーフェージング通信路に於ける伝送特性を調べた。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (7件)
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