研究概要 |
再生資源を十分に活用してゴミを減らすことを目的として、平成9年4月に「容器包装リサイクル法」が施行された。この対象の一つであるガラス瓶は、そのままでは再利用ができないワンウェイ瓶として平成14年度は166万トンが排出されたが、瓶の原料としてはそのうち75万トンがリサイクルされたにすぎない。特に輸入ワイン瓶等の着色瓶は原料としてのリサイクルも難しく、26万トンが廃棄され、未回収量も全体で56万トンにのぼる。これらは土木・建築用材料として再利用することが強く期待されている。 地盤工学の分野では、廃ガラスを細かく粉砕して発泡剤を混入した後に焼結処理したリサイクル材料を、軽量盛土材などに有効利用する試みが行なわれてきた。しかしながら、この方法は大量の追加エネルギー投入を要するため、必ずしも効率的とは言えない。そこで本研究では、ある程度の大きさまで砕砕した廃ガラスを埋戻し材に直接利用して、省エネルギーでのリサイクルを図りながら、液状化対策としても利用することを目的とした検討を行う。 初年度である今年度は、廃ガラスリサイクル材料の繰返し一次元圧縮試験を実施し、交通荷重相当の繰返し荷重下では粒子破砕は進行せず、変形係数の劣化や有害な残留沈下も生じないことを明らかにした。また、3種類の粒度組成を有する廃ガラスリサイクル材料とガラスびんを単に粉砕して作成した材料を埋め戻し材料として用い,その上にのべ3,000台のトラック荷重を載荷して路面の沈下測定を行う現地試験を実施して、廃ガラスリサイクル材料が埋戻し材料として7号砕石と同等あるいはそれ以上の性能を有することを確認した。
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