研究課題/領域番号 |
17656172
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三橋 博三 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90091751)
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研究分担者 |
金子 佳生 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60312617)
桐越 一紀 東北大学, 大学院・工学研究科, 技術職員 (60240660)
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キーワード | 自己修復 / 自己診断 / コンクリート / 損傷 / センサー |
研究概要 |
コンクリート構造物の性能を長期にわたって維持するには、発生したひび割れによる加速度的な劣化が進行してしまう前に迅速に補修を行うことが不可欠である。そこで本研究ではコンクリートに自己修復機能を付与し、ひび割れの発生直後という最も早いタイミングで、確実な補修を可能とする方法を開発する。その方法として、ひび割れ発生箇所を選択的に加熱することのできる破損部発熱センサーと、補修剤を内包する熱可塑性のパイプをコンクリート中に併せて埋設する方法を採用する。コンクリートにひび割れが発生した場合、損傷箇所でのセンサーの局所的な抵抗上昇による選択的な加熱によって埋設パイプが融解され、補修剤がひび割れ中に放出し、これを充填することで自己補修が可能となる。これまでの基礎的な研究により、センサーの抵抗上昇率の制御が大きな課題となっていたので、本年度はひび割れ発生によるひずみのセンサーへの伝達方法について検討し、実験によってひび割れ幅と電気抵抗値の定量的な関係を求め、その関係を用いて自己修復システムの基礎設計を行った。 自己修復に必要な低抗上昇を得るためには、センサーの節間部分のひずみが必要な値に達するまでに節にすべりが生じてはならない。すべりを防ぐためには節の幅を大きくして接着面積を広げて付着を強めればよいが、幅を大きくし過ぎるとセンサーの検知可能範囲が減少してしまう。また、コンクリートに節が確実に引っかかるようにするためには節の高さを大きくすればよいが、大きすぎると作製時に節の成形が困難になるだけでなく、施工性の悪化も懸念される。以上のことから最適な節幅および節高さを求めてセンサーを設計する必要がある。そのため、検知性能の検証実験で使用するためのセンサーの設計を有限要素法解析プログラム「ATENA2D」を用いた応力解析によって行い、その妥当性を検証した。
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