新潟県で行われている耐震診断、耐震補強の実態調査を行った。データの得られやすい学校建築を対象にしてデータ収集を行った。また、新潟県中越地震により被災した建物について地震動と被災との関連性を検討した。観測された地震動に対して上部構造の被害は小さい傾向にあった。基礎に被害が生じた建物もあり、上部構造の被害が小さいのは、相互作用の影響が考えられる。また、震度7を観測した川口町の学校建物は、8棟中7棟が耐震補強済みもしくは新耐震による設計であったため被害は小さかった。旧耐震・旧旧耐震設計法の建物には、被害は軽微から大破まであったが、1981年以後設計の建物は、ピロティ建物を除くと小破以下に収まった。耐震診断結果と被害の関係は、基礎の被害、ピロティ建物の被害を除くとIsがIsOを超える建物の被害は軽微以下となった。また、新潟市内のRC建物内で観測された中越地震およびその余震の地震記録について分析を行った。地震動の大きさに比例して建物の固有周期が変化していることがわかった。
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