研究課題
本研究は、太陽熱を利用した自然換気装置であるソーラーチムニーにおいて、特に、飛躍的に大きい蓄熱容量を有する材料として注目されている潜熱蓄熱材料(PCM)を活用することにより、日射がない夜間の自然換気も可能となる24時間自然換気装置の開発を目的としたものであり、コンパクトで一定温度の出力が可能であるというPCMならではの特徴を活かした研究である。これまでに、蓄熱材が無い条件でのソーラーチムニー内部の空気流動特性と伝熱特性の把握、伝熱モデルの構築と共に、限られた条件ながらも気象データを用いたシミュレーションを実施してきた。それらの成果を踏まえ、平成17年度は、PCMを蓄熱材として用いる場合の基本的な伝熱特性把握に関する実験的研究を中心とした研究を行った。安全で安価な種々のPCMの熱物性を検討した結果、30℃近辺の相変化温度を持ち床暖房用に用いられている硫酸ナトリウム10水塩を蓄熱材として採用して、基本的な構成による実用スケールの実験装置を作成し、屋外に設置した場合の外気温、日射量の変化や外部風などの影響を検討すると共に、ソーラーチムニーに組み込んだPCMの伝熱特性の把握のために実験を行った。さらに、住宅の屋根や壁面に設置するソーラーチムニーを想定した場合に、自然換気装置として得られる風量の予測を可能とするための基本的な伝熱モデルを検討し、集熱器とPCM蓄熱材が一体となった構成のソーラーチムニーにおける換気流路と集熱板、PCMの間の伝熱モデルと換気流路の流量予測モデルの構築を行った。
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空気調和・衛生工学会 平成17年度近畿支部学術研究発表会論文集
EXPO World Conference on Wind Energy, Renewable Energy, Fuel cell & Exhibition (WCWRF2005), Hamamatsu Japan CD-ROM