研究課題/領域番号 |
17656214
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
木野村 暢一 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (50029732)
|
研究分担者 |
熊田 伸弘 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (90161702)
武井 貴弘 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (50324182)
米崎 功記 山梨大学, 工学部, 助手 (20377592)
|
キーワード | ナノ材料 / CVD法 / 多孔体 / 特異吸着特性 |
研究概要 |
本研究では、種々の有機物テンプレートによる無機物質のナノ細孔空間の構築およびCVD法でのカーボンの複合化もしくは有機分子の複合化による吸着特性・電気化学特性を検討した。 1.メソ細孔を持つ多孔質シリカの作製 メソ細孔を持つ多孔質シリカを、カチオン性界面活性剤およびシクロデキストリンを鋳型とすることで作製した。カチオン性界面活性剤を用いた場合は、比表面積がおよそ1000m^2/g程度で孔径がおよそ3nm程度の均一な細孔を持つヘキサゴナル型シリカが得られた。一方でシクロデキストリンを鋳型に用いた場合、比表面積が最大でおよそ400〜500m^2程度であり、3〜4nm程度の細孔を持つ多孔質シリカとなった。 2.CVD法によるカーボン複合化および有機分子の複合化 得られたヘキサゴナル型多孔質シリカを用いて、トルエン、ヘキサンおよびベンゼン蒸気を用いて還元雰囲気下での熱処理によりカーボンを複合化した。その結果、トルエンおよびベンゼンの場合ではナノ細孔内に、ヘキサンを用いた場合では、シリカ粒子表面にカーボンが析出した。またカーボン析出過程を動力学的に検討し、トルエンおよびベンゼンからのカーボン化では100kJ/mol以下であり、メソポーラスシリカの細孔がカーボン化の触媒的作用を及ぼしていることを見出した。また、細孔内にビニル基、アミノプロピル基、フェニル基やポリアニリンなどの有機分子を導入したシリカ多孔体やリン酸塩多孔体の合成にも成功した。 3.吸着特性・電気化学特性 カーボンや有機分子を導入した多孔質シリカの吸着特性を評価した結果、フェニル基が水素分子と特異な物理化学的相互作用を持ち、他の官能基の数倍程度大きな水素吸着量を示すことを見出した。また電気化学特性を検討した結果、ポリアニリンを導入した多孔質シリカは、バルク状のポリアニリンと比較して大きなキャパシタンスを示した。
|