研究課題/領域番号 |
17656244
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 俊夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70115111)
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研究分担者 |
澁田 靖 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90401124)
池田 実 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50167243)
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キーワード | 連続鋳造 / 凝固欠陥 / 数値解析 / 場の変動 |
研究概要 |
連鋳鋳片の典型的凝固欠陥は、凝固関連技術の発達により現在はほぼ抑制可能となっている。しかし、局所的な中心偏析やブリッジングなどに起因すると考えられる低頻度凝固欠陥の予測・制御方法はもとより、その成因理解も工業的重要性にも関わらずさほど進んでいない。連鋳鋳片の低頻度凝固欠陥生成には、溶鋼流動、バルジング、湯面変動などが複雑に作用しており、これらの要因を個別に評価することはきわめて困難である。そこで本研究では、「低頻度凝固欠陥は不規則で大きな場の変動に起因する」との仮定の下に、さまざまな条件下で数値解析を行い、そのデータを統計的に処理することにより低頻度凝固欠陥の成因を解明することを目的とした。 本年度は、厚み200mmの鋳片が鋳造速度約1m/minで鋳造されている状況を想定し、鋳片厚の1/2から2/3凝固した時点で溶鋼加熱度換算0〜10℃以下の熱量変動が生じた場合の不均一凝固組織形成を、新たに作成したエンタルピー法による凝固解析プログラムにより解析した。ここでは、凝固前面の液相領域にさまざまな熱量変動が数mmから10数cmの範囲に分布で生じた際の凝固不均一度(凝固面最前部と最後部の差)を各条件について求めた。その結果、熱量変動が増加し、分布範囲の減少につれ著しく凝固不均一度が増大することが示された。ただ、これらはある程度自明なことであり、低頻度凝固欠陥の生成に直接結びつくものではない。すなわち、熱量変動の出現頻度は熱量増加とともに減少し、変動範囲について狭い範囲の変動が生じる確率は低くなる。このような出現確率を上記解析結果に乗じ、不均一凝固度の出現確率分布を求めた。その結果、上記の個別解析結果と異なり、比較的低熱量変動によっても不均一凝固度の変化が生じる可能性が示された。
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