研究概要 |
本年度は,試料作製装置の作製及び微重量測定用の装置の整備を行った。 実験に用いるための,ナノ金属酸化物粒子を作製するための装置の作製を行った。本研究では硝酸塩水溶液を高温の電気炉中に設置したAl_2O_3容器に滴下し熱分解することで,ナノ金属酸化物粒子の作製を行う。本年度はそのための電気炉を作製するとともに,既存の局所排気装置中に溶液滴下経路を作製・設置した。作製した装置を用い,0.3mol/lの硝酸アルミニウム水溶液を約1 ml/minの速度で673KのAl_2O_3容器に滴下し熱分解することで粉末の作製を試みた。しかし,加熱部分の容積に比べ滴下速度が早すぎたため,蒸発分解が間に合わずに溶液がAl_2O_3容器中に溜まるとともに容器の温度が低下,尚かつ,沸騰した溶液が飛散した。今後,最適な滴下速度を実験的に求め,酸化アルミニウム(α-Al_2O_3)ナノ粉末の合成を目指す。しかる後に,実際に研究に用いる酸化セリウム-酸化アルミニウム混合ナノ粒子の作製を行う。 本研究では作製した試料の熱重量測定を精密に行う必要があるため,本年度はまず既存の未整備の微重量天秤を製造会社にオーバーホールに出し整備した。天秤は,試料吊り下げ部を拡大する等の改造を施し,本研究に適するようにする必要があるため,設置するための架台システムについての設計を行った。具体的には,試料加熱用電気炉を大型化した際の配置,天秤と電気炉との接合部の設計を行った。今後,設計に基づき装置の作製を行う予定である。
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