研究概要 |
化学工業反応における生成物収率の熱力学的ブレークスルーを目的として,2種類の反応原料物質を変則的に触媒上に供給し,反応に供する"非定常フィード反応"システムの構築と評価に関する研究を展開した。本年度は,下記の4点に関する事項について研究を行った。 1.システム設計と製作-気体反応原料の供給様式が秒単位で任意に設定でき,触媒反応に供することができる非定常フィード反応システム装置の設計と製作を行った。ここでは,高速応答性(応答時間約1秒)に優れたデジタルマスフローコントローラ2台とコンピュータ制御器を導入し2系統の気体原料が独立して反応層に供給できる反応装置を製作した。 2.システム制御プログラムの製作-"非定常フィード反応"装置を制御するプログラムの設計・作成を行った。プログラムは,グラフィカルな概念で構築できるLabVIEW言語を採用し,2系統の気体原料の供給速度,供給様式が独立して任意に設定・制御できるものを製作した。 3.システム検証-作製した"非定常フィード反応"装置の検証を行った。検証では,反応層出口に質量分析装置の導入ポートを設置し,2系統の気体原料の供給様式を秒単位で変更した際の原料供給様式の変化を観測した。その結果,本システムでは,設計通りの性能を示すことが明らかとなった。 4.システムの適用反応の検証-炭化水素の酸化反応に関するモデル検証を行い,本反応の"非定常フィード反応"装置への適用性に関する検討を行った。
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