研究課題/領域番号 |
17656263
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金田 清臣 大阪大学, 大学院・基礎工学研究所, 教授 (90029554)
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研究分担者 |
海老谷 幸喜 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (50242269)
水垣 共雄 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (50314406)
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キーワード | デンドロン / 自己集合 / 金属超微粒子 / ナノリアクター / パラジウム / バイメタル超微粒子 / ワンポット反応 |
研究概要 |
アルキル化デンドロン内包貴金属ナノ粒子のサイズ制御法の開発 ピリジンをコアとするアミドアミンタイプのデンドロンの調製を行った。このデンドロンは、溶媒中で自己集合し球状集合体を形成する。アルコール、アミド、ハロゲン化アルキルなど溶媒の種類を変えることで、集合体のサイズを制御することができる。また、デンドロンの世代数や末端アルキル鎖の長さを変えることで集合体内部空孔サイズが制御でき、内部空孔サイズに応じた粒子径の金属超微粒子が得られることを見出した。 第1-3世代のアミドアミンデンドロン集合体溶液に[Pd(C_3H_5)Cl]_2などの金属錯体や金属塩溶液を加えた後、SuperHydride(トリエチル水素化ホウ素)で還元すると安定な金属超微粒子溶液が得られた。光散乱法より溶液中の集合体サイズを測定したところ、およそ〜15nm程度までの集合体の形成が確認された。この集合体がデンドロンの単分子膜から形成されると仮定したときの、集合体内部空孔のサイズ分布は、TEM観察から求めたPdやPt、Au粒子の粒子径分布と一致した。また、前駆体に白金錯体や塩化金酸を用いることで、同様にサイズ制御が可能である。超粒子調製時に、Pd錯体とPt錯体を混合するとPd-Ptバイメタル超微粒子を調製することができる。PdとPtの混合比は、任意に変えることが可能である。 調製したPd-Pt超微粒子は共役ジエンの水素化反応に用いたところ、Pd/Pt=4付近で最も高い活性が得られた。アミドアミンデンドロンは、骨格内のアミノ基を利用した塩基触媒として機能することから、本デンドロン集合体内包Pd-Pt超微粒子は、アルドール反応、水素化反応、マイケル反応をワンポットで連続して行うことが可能であり、医薬品中間体として有用なグルタロニトリル誘導体が高収率で得られる。
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