研究課題/領域番号 |
17656278
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研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
槙原 幹十朗 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部宇宙構造・材料工学研究系, 宇宙航空プロジェクト研究員 (60392817)
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研究分担者 |
小野田 淳次郎 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部宇宙構造・材料工学研究系, 教授 (20013740)
峯杉 賢治 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部宇宙構造・材料工学研究系, 助教授 (90239327)
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キーワード | 音響低減 / フェアリング / 先端機能デバイス |
研究概要 |
ロケットフェアリングを模擬した板構造物と圧電素子から成る音響制御実験を構築した。音源スピーカを内部に設置する密閉音響箱(直径1m、厚さ12mm、高さ1m、鉄製)を作製した。その密閉音響箱の一部を開口にし、その開口を板構造物で塞いだ。その板構造物に圧電素子を貼り付け、電気回路とプロセッサからなる音響制御装置を接続した。作製した音響実験装置を用いて音響実験を行い、提案する音響低減手法により音響が10dBも低減した。つまり、この画期的なエネルギ回生音響制御のアイデアが現実可能であることを実証した。 電気回路内のインダクタンス値の変化によって、音響低減効率が大幅に上昇する一方、高周波音響を励起するという非常に興味深い知見を得た。提案する本手法の本質に迫る興味深い現象である。本手法は、圧電素子に繋がれた電気回路のスイッチを切り替えるのみで、系の状態を変化さるバンバン型準能動的手法に属する。制御入力量と見なせる電圧の切り替えが急激であるために、高周波の音響を増幅していることを突き止めた。この原因究明を受けて、圧電素子にかかる電圧値を急激に変化させることない制御回路を考案した。キャパシタ内に一時的に回生エネルギを保管させ、少しずつ圧電素子に戻す制御回路である。結果的に圧電素子の電圧値反転の急激さを緩和し、高周波音響を励起しないことが可能となる。現実のアナログ回路上で実装中である。 また、実験だけでは得られないパラメトリックスタディや実験解析補助を目的として、実験を模擬する数値計算プログラムを自作した。フェアリング構造物の振動解析に有限要素法を用い、音場解析に境界要素法を用いて、本音響低減手法における振動・音場練成解析を行った。
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