• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

エクセルギー・質量解析にもとづく新しい環境負荷評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17656296
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

原田 幸明  独立行政法人物質・材料研究機構, 材料ラボ, ラボ長 (70354131)

研究分担者 井島 清  独立行政法人物質・材料研究機構, 材料ラボ, 研究員 (10354135)
キーワードエクセルギー効率化 / 環境負荷評価 / エクセルギー / LCA / 有害化学物質
研究概要

環境負荷評価に対して具体的なダメージ評価とともに熱力学的関数などの客観性の高いファクト情報を評価関数として用いることで、予測的かつ本質的な影響評価の軸としたいという要求も強い。エクセルギーはその有力な候補である。しかし、エクセルギーは「有効エネルギー」とも和訳されるようにエネルギー概念と混同して用いられるケースや、非可逆過程によるエクセルギー損失とエントロピー増大の関係からエントロピー概念との混同なども含まれた期待感も多く科学的指標としての有効な領域は必ずしも明確になっているとは言いがたい。本研究では、エクセルギーの中でも特に化学エクセルギーと呼ばれる物質の化学的転換状態に注目した物質状態指標としての取り扱いの可能性に注目して検討を進めた。
エクセルギーを用いた環境負荷解析への試みを総括した。廃棄物処理の評価としてはセメント利用の評価、LCA的アプローチとしてアルミニウム缶リサイクル、エネルギーシステムなどがあり、さらに各種金属の製錬エクセルギーを用いて資源評価を行なうなどの事例が集められた。いずれの事例もエクセルギーの特徴である取り出すことのできるエネルギーとして物質の活性度やその有効性を評価するものであった。これら共通の問題点としてはエクセルギーの基準点をどこに置くかという点であり、今後の課題となっている。
この問題をもちつつも、化学エクセルギーのもつ可能性は大きい。熱エクセルギーが、そこから取り出される仕事として熱エネルギーの質を表すことができるように、物質の環境との相互作用の質を表すことができる。特にTMR(関与物質総量)と併用すると、関与物質総量が、物質の環境との相互作用の量的側面を受け持ち、化学エクセルギーがその質的側面を表すことも期待される。そのような観点からエクセルギー利用の理論的基礎とともに、具体的な系でのケーススタディーを強めることが今後求められる。

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi