研究課題
核融合炉実現のためには定常・高ベータのプラズマの生成・保持が必須である。本研究計画では、ディスラプションが無く、定常・高ベータで単純な磁場コイルによるダイバータ配位を有する新しい核融合炉概念を模索し、検討を進めた。特に、(1)新しいN=1のコンパクトヘリカル配位(ヘリカルとミラーとの融合)、(2)ヘリカルとトカマクの混成装置(トカマクとヘリカルとの融合)、(3)新しい球状のトカマク・ヘリカル装置(トカマクとヘリカル、およびミラーとの融合)、に関する磁場配位を検討し、その閉じ込め特性を明確化することを目的とした。(1)の新規N=1コンパクトヘリカル概念については、ロシアとの共同研究として、プラズマ平衡、粒子軌道解析、安定性解析、輸送解析、等を進めた。(2)のヘリカルトカマクの検討については、トカマク中での新古典ティアリングモードの解析を進め、トカマク・ヘリカル混成配位の予備検討をすすめた。(3)の球状トカマク・ヘリカル概念に関しては、磁気面や粒子軌道の詳細解析をすすめ、ヘリカルコイル1本または2本でプラズマを閉じ込める独創的な概念の検討をすすめた。特に、内側にヘリカルコイル成分を重畳することで、磁気面形状の内側部分の変形、回転変換の向上、ダイバータ部分の磁力線追跡、等の検討を進めた。また、これらの解析を踏まえて、磁場コイルとプラズマ平衡の関連を実証するための実験準備を進めた。平成18年度には磁場をパルス化する改造により、磁場強度を向上させることができた。しかし、超小型の装置でのグロー放電を用いたプラズマでは、磁場閉じ込め効果を明確にすることができなかった。総じて、新しい磁場閉じ込め概念の可能性と問題点の一端を明らかにすることができた。
すべて 2007 2006
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