研究課題/領域番号 |
17656302
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山崎 浩道 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00166654)
|
研究分担者 |
松山 成男 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70219525)
菊池 洋平 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50359535)
|
キーワード | 陽電子断層撮影法 / 高感度化 / 非同時計数データ / ポジトロン / 濃度分布 / 逐次近似画像再構成法 / 統計精度 / モンテカルロシミュレーション |
研究概要 |
本研究では、陽電子断層撮影(PET)での非同時計数データ(無用イベント)を測定して非同時計数ならびに同時計数とポジトロン濃度分布との相関関係を決定することによって、統計的に有利な非同時計数データをポジトロン分布の事前情報に変換して活用し、統計精度に劣る同時計測データからポジトロンの濃度分布を高い精度で再構成できる逐次近似法を開発して、放射性核種の低投与量および短時間スキャンといった被曝制限下においても高品質なポジトロンCT画像が提供できるPETの高感度化を検討します。 今年度は、同時計数イベントから再構成したRI分布からPET装置の全検出器についての非同時計数イベントを再現することを検討するために、東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターのECAT931(CTI社製4リング-BGO-PET)を用いて、H^<18>F-H_2Oを満たしたホットスポット形状の異なる3種類のファントム(φ210mm)の同時計数と非同時計数を種々の統計精度で測定し、解析的画像再構成と非同時計数を事前情報に変換して用いる逐次近似画像再構成(ML-EM法)の一致の度合いを評価しました。同時計数の再構成画像から再現される非同時計数の分布と測定された分布を比較することによって、逐次近似法における画像の更新の有効性を判定すると、画像に含まれる高周波のノイズへの追随を制限できるために、統計精度に劣る低放射能の測定においても、逐次近似の画像再構成法での画像更新回数を適切に決定できることを確認しました。このような非同時計数の有効利用をPET装置の固有のFOV全体にわたって活用することを検討するために、陽電子分布を任意に設定してモンテカルロ法に基づいて対消滅γ線の飛行と検出をシミュレートするmathematical phantomのプログラム開発を行っています。
|