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2005 年度 実績報告書

都市再生時の社会インフラ価値を考慮した分散型エネルギー供給の導入計画手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17656308
研究機関名古屋大学

研究代表者

鈴置 保雄  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10115587)

研究分担者 加藤 丈佳  名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (90283465)
キーワード分散型電源 / 地域熱供給 / エネルギー / コージェネレーション / 太陽光発電システム / 都市再開発 / インフラ / 地域メッシュ統計
研究概要

地域メッシュ統計他の各種統計データに基づき,愛知県を対象として1kmX1kmの地域単位で民生部門の電力需要および分散型電源の賦存量を算出した。その結果,PVシステムの賦存量は大半のメッシュにおいて数1,000kW/km^2となり,集中導入実証地区の数分の一程度となった。また,業務部門3業種(ホテル,病院,店舗)におけるCGSの賦存量は合計で210MWとなった。地域の最大電力需要に対する分散型電源の賦存量の比を算定した結果,67%のメッシュにおいて導入比は200%以下となった。
これらの導入量の算定結果に基づき,想定東海地震および想定東南海地震発生時のPVシステムによる電力供給量と需要とのバランスを算定した。兵庫県南部地震の際のインフラ停止,建物崩壊に関するモデルを用いて,地震発生時の需要や稼動可能なPVシステム容量を算定した。その結果,90%以上のメッシュでは,新築家屋の部にPVシステムを導入することで,インフラ停止に伴う病院・学校の不足エネルギー量を賄えることがわかった。また,経年によって新築建物が増加し,地震発生時の建物崩壊確率が低下して稼動可能なPVシステムが増加するため,住宅等における不足エネルギー量についても,PVシステムによる補填率が増加することがわかった。
また,長期的な建物の建て替えによる需要集中地区の形成を想定し,CGSの排熱とボイラとによる熱供給によって冷暖房および給湯需要が賄われる場合について,線形計画法を用いた最適化計算によって集中地区に配置される需要家の組合せを決定し,一次エネルギー削減量を算定した。愛知県豊田市の562個の4次メッシュを対象とした検討の結果,従来のエネルギー供給の場合と比較して,全てのメッシュにおいて提案システムの導入によって0.1TJ〜5.6TJの一次エネルギーが削減され、全メッシュ合計の削減率は5.2%となった。
さらに,分散型電源の大量導入がエネルギー輸送インフラの構成に与える影響を算定するためのモデルを構築した。架空送電システムを対象とし、評価指標として物質投入量を用いた場合について、電源から需要地域までの距離が異なる場合や、需要分布の異なる場合に対し、定性的にはおおよそ妥当な送配画線の選択が可能であることを確認した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 大震災時における地域の不足電力に対するPVシステムの電力供給の可能性に関する一考察2006

    • 著者名/発表者名
      加藤丈佳
    • 雑誌名

      平成18年電気学会全国大会講演論文集 No.6-105

      ページ: 178

  • [雑誌論文] エネルギーシステム評価のためのエネルギー輸送インフラの最適構成選択モデル2005

    • 著者名/発表者名
      辻本直嗣
    • 雑誌名

      電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌) 125・10

      ページ: 964-972

  • [雑誌論文] 輸送インフラの構成変化を考慮したエネルギーシステムの評価-物質投入量の観点から-2005

    • 著者名/発表者名
      石川 明
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) 125・10

      ページ: 1587-1595

  • [雑誌論文] 一般廃棄物サーマルリサイクルの省エネルギー性および経済性に関する統計的評価2005

    • 著者名/発表者名
      青山 誠
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) 126・10

      ページ: 1581-1586

  • [雑誌論文] 配電系統の電圧変動からみた分散型電源の導入可能性に関する統計的評価2005

    • 著者名/発表者名
      加藤丈佳
    • 雑誌名

      太陽/風力エネルギー講演論文集 No.53

      ページ: 221-224

  • [雑誌論文] 都市再生に伴うエネルギー需給の高効率化のための一考察-地区ごとの需要集中と小規模熱供給の導入効果-2005

    • 著者名/発表者名
      叶 明超
    • 雑誌名

      エネルギー資源・学会 第21回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス論文集 No.6-4

      ページ: 105-108

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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