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2005 年度 実績報告書

花粉管の反応性獲得を誘起する糖タンパク質の発見に基づく花粉管成熟機構の先駆的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17657022
研究機関東京大学

研究代表者

東山 哲也  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00313205)

キーワード植物 / 花粉管ガイダンス / 助細胞 / 花粉管 / 胚珠 / 受精能獲得 / 細胞間コミュニケーション / タンパク質
研究概要

トレニアのin vitro重複受精系を用いた解析から,花粉管が助細胞の分泌する誘引物質に反応するためには,母体の胚珠が分泌する花粉管反応性獲得促進物質「AMOR」が必要であった。これは,花粉管ガイダンスにおける新しい細胞間コミュニケーションに関わる物質であると考えられる。そして詳細な生理生化学的な解析の結果,このAMORが70kDaのタンパク質であることを明らかにした.当初はヤリブ試薬と共沈することから,AMORは細胞間シグナリングに関与することで知られるアラビノガラクタンタンパク質AGPの一種であると予測した.しかし,AMORは化学的脱糖鎖処理後もSDS-PAGEによってサイズの変化がみられないため,それ自体は糖鎖をほとんど持たないことが明らかとなり,さらなる検討によってAMOR自体はAGPではなく,他のAGPと何らかの相互作用をする可能性が示唆された.これまでにAGPと相互作用するタンパク質の知見は全くないため,この結果はAGPの作用機構という観点からも興味深い.トレニア由来のタンパク質であるAMORの同定にはアミノ酸シーケンシング解析が最適と考えられるため,現在はそれに必要なサンプル量を確保するための抽出方法を確立し,解析に向けて準備を進めている最中である.また,AMOR遺伝子同定後の解析や,今後の重複受精分子機構の解析には不可欠であるトレニア形質転換系の立ち上げを,ほぼ完了させた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Comparative analyses of biological models used in the study of pollen tube growth.2006

    • 著者名/発表者名
      Higashiyama, T., Inatsugi, R.
    • 雑誌名

      Plant Cell Monograph (印刷中)

  • [雑誌論文] Active digestion of sperm mitochondrial DNA in single living sperm revealed by optical tweezers.2006

    • 著者名/発表者名
      Nishimura, Y., Yoshinari, T., Naruse, K., Yamada, T., Sumi, K., Mitani, H., Higashiyama, T., Kuroiwa, T.
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA 103

      ページ: 1382-1387

  • [雑誌論文] GENERATIVE CELL SPECIFIC 1 is essential for angiosperm fertilization.2006

    • 著者名/発表者名
      Mori, T., Kuroiwa, H., Higashiyama, T., Kuroiwa, T.
    • 雑誌名

      Nature Cell Biol. 8

      ページ: 64-71

  • [雑誌論文] 受精のメカニズム2006

    • 著者名/発表者名
      東山哲也
    • 雑誌名

      プラントミメティクス (印刷中)

  • [雑誌論文] 体外受精2006

    • 著者名/発表者名
      東山哲也
    • 雑誌名

      プラントミメティクス (印刷中)

  • [雑誌論文] マイクロインジェクション,ビデオ顕微鏡2006

    • 著者名/発表者名
      東山哲也
    • 雑誌名

      新版 植物の細胞を観る実験プロトコール (印刷中)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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