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2006 年度 実績報告書

行動の動機付けの神径機構に関するイメージングとテレメトリーを用いた研究

研究課題

研究課題/領域番号 17657027
研究機関東京大学

研究代表者

岡 良隆  東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (70143360)

研究分担者 赤染 康久  東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (50302807)
阿部 秀樹  東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (90396804)
キーワードペプチドニューロン / テレメトリー / 神経修飾 / 行動実験 / 魚類 / 脳 / 遠隔記録 / GnRH
研究概要

一般に中枢神経系における情報処理は、ニューロン間のシナプス結合によって形成される神経回路において正確なアルゴリズムにしたがって行われる。一方、動物は一般に外界からの入力に対して常に一定した応答を示すのではなく、多様な環境の変化に対応して適応的かつ合目的的に柔軟に応答する能力を備えている。我々は、このとき神経回路機能に柔軟性を持たせる重要な役割を演じているのがペプチド神経系であると考えている。申請者の従来の研究結果から、終神経系において産生されるペプチド、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)は、実際にはホルモンとしては働かず脳内の広範囲に神経突起を投射し、そこからGnRHを放出して神経修飾作用を持つことが示唆されている。さらに、GnRHによる神経修飾作用は、動物行動の動機付け調節という重要な脳内機構の基礎であろうと考えられる行動学的証拠を得つつある。そこで本研究では、遺伝子導入を用いた特異的ニューロン破壊やテレメトリーといった先端技術を用いて動機付け調節の神経機構の解明に迫ることを目的とした。本年度は、行動中の動物の終神経GnRHニューロンからのテレメトリーを用いたニューロン活動記録を行うための装置の開発とin vitro脳標本を用いた予備実験を行った。研究協力者である工藤雄一博士が従来のテレメトリー装置をさらに軽量化し、自重1グラム以下のデバイスの作成に成功した。そこで、ドワーフグーラミーのin vitro全脳標本から終神経GnRHニューロンの単一ニューロンのペースメーカー活動をステンレス電極で誘導し、それを今回開発したテレメトリー装置に接続してFM波に乗せて信号を遠隔記録したところ、in vitro脳標本で記録できるのとほぼ同一の信号を記録することができた。今後は、この装置を水中テレメトリーができるように改良し、通信条件のテストと実験動物への発信器装着を試験する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Immunohistochemical localization and ontogenic development of prolactin-releasing peptide in the brain of the ovoviviparous fish species Poecilia reticulata (guppy).2007

    • 著者名/発表者名
      Amano M., Oka Y., Amiya, N., Yamamori, K.
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters 413

      ページ: 206-209

  • [雑誌論文] Terminal nerve GnRH neurons express multiple GnRH receptors in a teleost, the dwarf gourami (Colisa lalia).2007

    • 著者名/発表者名
      Peter H., Ikemoto, T., Akazome, Y., Park, M.K, Oka, Y.
    • 雑誌名

      Journal of Neuroendocrinology (in press)

  • [雑誌論文] Ion channels and their neural functions : contribution to general problems from studies of brains in non-mammalian species.2007

    • 著者名/発表者名
      Tsutsui, H., Oka, Y.
    • 雑誌名

      Brain, Behavior and Evolution 69

      ページ: 122-131

  • [雑誌論文] Neuromodulatory functions of terminal nerve-GnRH neurons.2007

    • 著者名/発表者名
      Abe, H., Oka, Y.
    • 雑誌名

      Fish Physiology Vol. 25, Sensory Systems Neuroscience (Chapter 11, Elsevier Inc., San Diego)

      ページ: 455-503

  • [雑誌論文] 環境に適応した行動を発現させる脊椎動物神経系・内分泌系のしくみ。2007

    • 著者名/発表者名
      岡 良隆
    • 雑誌名

      21世紀の動物科学 第8巻 行動とコミュニケーション 培風館 (印刷中)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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