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2005 年度 実績報告書

アリのコロニーサイズ認識機構

研究課題

研究課題/領域番号 17657029
研究機関琉球大学

研究代表者

辻 瑞樹  琉球大学, 農学部, 教授 (20222135)

キーワード自己組織化 / 社会性昆虫 / アリ / 女王物質
研究概要

コロニーサイズは昆虫社会の多様性を解明する鍵はあるとされるが,ではアリやシロアリがいかに所属コロニーのサイズを「認識」しているのかは全く未知である.そこで、トゲオオハリアリを用いコロニーサイズと相関のある各種刺激に対するアリの行動的反応を観察し、可能なフィードバック機構の作業仮説を提案した。トゲオオハリアリでは予備研究で女王(gamertgate)の巣内パトロール時間がコロニーサイズとともに変化することが突き止められており(大コロニーで長いパトロール)、また女王ワーカー双方とも個体間の直接接触で相手(繁殖者か否か)を認識し(Tsuji et al.1999 Anim.Behav)女王との接触が一定時間以上途絶えたワーカーは自ら繁殖すべく生理状態を切り替えること(オーファン化)も知られている。オーファン化したワーカーに接触した女王がパトロール時間を延長させることが裏にあるフィードバック機構(パトロールが行き届けばオーファン化率も低下)であるとする作業仮説を立て、これを実験的にテストした。トゲオオハリアリでもしオーファン化ワーカーの存在が女王のパトロール行動を活性化する刺激なら、コロニーサイズでなく単にオーファン化ワーカーの比率を操作するだけでパトロール時間が延長されるはずである。実際、オーファンワーカーの率が増加させると、パトロール時間が延長することが確認された。また、女王はオーファンワーカーや卵巣を発達させた優位ワーカーをそうでないものと識別している証拠も示された。この識別の鍵刺激が身体表炭化水素であるとする生物検定による確固たる証拠も得られた。今後はこのフィードバック機構を定量的にテストするため数理モデル化する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Brood parasitism in an invasive population of the pest ant Pheidole megacephala.2006

    • 著者名/発表者名
      Le Breton, J
    • 雑誌名

      Insectes Sociaux 53(印刷中)

  • [雑誌論文] Isolation and characterization of ten microsatellite loci in the ponerinae ant Pachycondyla luteipes (Hymenoptera; Formicidae).2005

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, J.
    • 雑誌名

      Molecular Ecology Notes 5

      ページ: 749-751

  • [雑誌論文] Why is dominance hierarchy age-related in social insects? The relative longevity hypothesis.2005

    • 著者名/発表者名
      Tsuji, K.
    • 雑誌名

      Behavioral Ecology and Sociobiology 58・3

      ページ: 517-526

  • [雑誌論文] Differentiation of the reproductive tract between dominant and subordinate workers in the Japanese queenless ant Diacamma sp.2005

    • 著者名/発表者名
      Allard, D.
    • 雑誌名

      Acta Zoologica(Stockholm) 86・2

      ページ: 159-166

  • [図書] Life Cycles in Social Insects : Behavioural, Ecological and Evolutionary Approach.2006

    • 著者名/発表者名
      Tsuji, K.
    • 総ページ数
      156
    • 出版者
      St.Petersburg University Press

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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