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2007 年度 実績報告書

アリのコロニーサイズ認識機構

研究課題

研究課題/領域番号 17657029
研究機関琉球大学

研究代表者

辻 瑞樹  琉球大学, 農学部, 教授 (20222135)

キーワード行動学 / 昆虫 / 神経科学 / 生態学 / 情報
研究概要

コロニーサイズは昆虫社会の多様性を解明する鍵はあるとされるが、ではアリやシロアリがいかに所属コロニーのサイズを「認識」しているのかは全く未知である。そこで、本研究では、個々の個体はコロニー全体を俯瞰しているわけではなく、局所的情報に対して単純に反応しているだけだが、にもかかわらずコロニー全体の適切な制御が可能であるとする、自己組織化機構がコロニーサイズ認識の裏にもあるのではないかとの観点に立ち、アリがコロニーサイズ情報となり得るどんな刺激に依存し行動を切り替えているのか。そして、コロニー全体の適切な制御を可能にする意志決定メカニズムを明らかにすることを目的とした。トゲオオハリアリでは女王(gamertgate)の巣内パトロール時間がコロニーサイズとともに増加するが、これは女王ワーカー双方とも個体間の直接接触で相手(繁殖者か否か)を認識しているからだ。女王との接触が一定時間以上途絶えたワーカーは自ら繁殖すべく生理状態を切り替えることも前年度までの研究で明らかにされている。本年度は生理状態を切り替えたワーカーに接触した女王がパトロール時間を延長させることが裏にあるフィードバック機構であるとする作業仮説を立てこれを数理モデル化した。モデルは実際の女王が示すようにコロニーサイズとともに増加するパトロール時間のパターンを再現でした。また繁殖者に特異的な体表炭化水素に対してワーカーが反応するか生物検定を行い実際炭化水素成分だけにワーカーが興味を示すことが確認された。以上の結果はすべて論文発表準備中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 社会的適応行動から学ぶ群ロボット-アリのコロニー形成と維持を対象として2007

    • 著者名/発表者名
      菅原 研, ら
    • 雑誌名

      計測と制御 46

      ページ: 928-933

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Does disturbance favor dispersal? An analysis of ant migration using the colony-based lattice model2007

    • 著者名/発表者名
      Nakamaru, M.
    • 雑誌名

      Journal of Theoretical Biology 248

      ページ: 288-300

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Caste-biased acceptance of non-nestmates in a polygynous ponerine ant2007

    • 著者名/発表者名
      Kikuchi, T.
    • 雑誌名

      Animal Behaviour 73

      ページ: 559-565

    • 査読あり
  • [学会発表] アリは如何にしてコロニーの大きさを認識するのか2008

    • 著者名/発表者名
      菊地友則
    • 学会等名
      第52回日本応用動物昆虫学会
    • 発表場所
      宇都宮大学
    • 年月日
      2008-03-26
  • [学会発表] アリは如何にしてコロニーの大きさを認識するのか2008

    • 著者名/発表者名
      菊地友則
    • 学会等名
      第55回 日本生態学会福岡大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2008-03-16

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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