研究課題
アミロイドβペプチド(Aβ)は、39〜43残基からなるペプチドでありアミロイド線維となることでアルツハイマー病を引き起こす。不凍タンパク質RDIIIは、低温環境で生息する魚類が有する不凍タンパク質で、氷結晶の成長を妨げる働きをしている。本研究では、不凍タンパク質RDIIIとアミロイド線維核の相互作用を核磁気共鳴(NMR)法とAFMを用いて研究する。1.RDIIIタンパク質の大量発現系の改良今年度は、まずRDIIIタンパク質の大量発現系を改良した。RDIIIタンパク質をコードする遺伝子をPCRによって増幅し、コールドショックベクターに組み込んで発現ベクターを作製した。コールドショックベクターにすることで、これまでよりも高収率でRDIIIタンパク質を大量に得ることに成功した。精製条件についても再検討し、陰イオン交換と逆相HPLCによって純度の高いサンプルを得ることができた。また、^<15>N塩化アンモニウムを含む最小培地で大腸菌を大量培養し、RDIIIタンパク質の^<15>Nラベル体を得た。2.RDIIIタンパク質によるAβのアミロイド線維形成阻害RDIIIタンパク質がAβのアミロイド線維形成を阻害するのかどうかについて、アミロイド線維に結合するThioflavin-Tを用いて調べた。RDIIIタンパク質の存在下、非存在下において、Aβのアミロイド線維が形成される量を調べた。その結果、RDIIIタンパク質はAβのアミロイド線維形成を阻害することを明らかにした。
すべて 2005
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