研究概要 |
1.私たちがフグのデータベースを解析して見つけたホルモン結合領域を4個も備えたカルシトニン受容体について分子生物学的な解析をおこなった。クローニングしたCTRを単独ないしはRAMPとともに培養細胞に発現させ受容体活性を測定した。その結果CTR単独ではカルシトニン受容体として,またRAMPとの組合せによりCGRPやアミリンの受容体として機能することを見出した。また4つある結合ドメインの活性をdeletion mutantsを作製して調べ,第4のドメインが強 い活性を有することを明らかにした。 2.同じファミリーに属するアドレノメデュリン(AM)受容体ファミリーは膜7回貫通型受容体 (CLR, calcitonin receptor-like receptor)と膜1回貫通型補助因子(RAMP)が複合体を作ってはじめて機能する。分子認識の観点から興味深いCLRとRAMPの相互作用と機能を明らかにするために,フグのデータベースを活用して,3種のCLRと5種のRAMPをクローニングし,抗体を作製した。抗体染色により組織局在を明らかにするとともに,すべての組み合わせ(3×5=15とおり)について,哺乳類培養細胞で発現させ,(1)細胞膜表面へのターゲッティング,(2)リガンドであるAM1,AM2,AM5に対する結合特性,及び(3)cAMP応答能を調べることにより,どの組み合わせがどの組織のどの細胞で働き,どのような生理作用を発揮しているかを明らかにした。
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