研究課題
生きた細胞・組織を無染色で細胞内器官などの微細構造を動的に可視化できるようなコンピューター制御の偏光顕微鏡を研究開発し、生きた神経細胞等の動的な変化を研究できることを目指して研究を行った。本研究は研究代表者が、考案し申請準備中である特許の内容を具体的に実証機として作製し、神経細胞等の生きた細胞による実験により証明することを目指したものである。倒立型顕微鏡にポッケルス素子(透明結晶への印加電場に比例して位相遅れが生じる電気光学効果をおこす素子)、レンズ系などいくつかの光学素子を追加し、改造し、さらにポッケルス素子を通過する光の位相を変異させるためのパルス電圧を与える電気制御回路を作製し、パソコンで駆動するようにした。このパルスと同期して、顕微鏡画像を、冷却CCDカメラで取得し、各画素毎の演算処理をして、モニターに表示することを目指した。現在は、この電気制御系が稼働できていないが、遅相量をマニュアルで与えることにより得た顕微鏡画像を研究代表者が考案した画像演算処理方式を用いて、微少な位相のずれを可視化する偏光顕微鏡の技術により画像化することに成功した。今後さらに、上記の電気制御系を稼働させて、高速な画像取得を目指す。そして加藤氏(研究協力者)による液晶を用いた新型偏光顕微鏡に関する経験や画像処理および標本用チェンバー作製に関するノウハウに基づき生きた神経細胞等の実験を行う予定である。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (1件)
Investigative Ophthalmology and Visual Science 46
ページ: 3411-3419