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2005 年度 実績報告書

環境因子に対する体内時計の適応機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17657085
研究機関大阪市立大学

研究代表者

佐伯 茂  大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 助教授 (60211926)

研究分担者 金 東浩  大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 講師 (70326271)
キーワードコレステロール代謝 / 日内変動 / 体内時計
研究概要

生体内の種々の生命現象は体内時計(生物時計)によって制御されている。本研究では、コレステロール代謝調節の昼夜の差異について実験動物(ラット)で検討した。コレステロール合成の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素遺伝子の発現量は、昼間より夜間の方が著しく高いにも関わらず、血清コレステロール濃度は昼夜で大きな差がなかった。細胞内でコレステロールが過剰になると、一部がオキシステロールに異化され核内レセプターLXR(Liver X receptor)αを誘導する。CYP7A遺伝子のプロモーター上にはLXRαが結合するDR4配列があり、オキシステロールはLXRαを介してCYP7A遺伝子の転写を活性化し、コレステロールから胆汁酸への異化を促進させる。LXRα、CYP7A遺伝子の発現量は、昼間よりも夜間の方が高かった。LXRαはSREBP-1cの発現誘導を介して脂肪酸合成を亢進させ、肝臓でのコレステロールエステルの蓄積を促進するが、SREBP-1c遺伝子の発現量も昼間よりも夜間の方が高かった。肝臓で合成された胆汁酸は、核内レセプターFXR(farnesoid X receptor)を活性化し、肝実質細胞から胆管への胆汁酸排泄を担うABCB11(bile salt export pump;BSEP)を誘導するが、FXR、ABCB11遺伝子の発現量は昼夜で大きな差がなかった。これらのことより、夜間に活動する実験動物においてコレステロール合成は急速に高まるが、種々の代謝調節により、コレステロールプールは一定に保たれていることが示唆された。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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