• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

環境因子に対する体内時計の適応機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17657085
研究機関大阪市立大学

研究代表者

佐伯 茂  大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 助教授 (60211926)

研究分担者 金 東浩  大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 講師 (70326271)
キーワード脂質代謝 / 日内変動 / 体内時計
研究概要

生体内の種々の生命現象は体内時計(生物時計)によって制御されている。本研究では、脂質代謝調節の昼夜の差異について実験動物(ラット)で検討した。体内で過剰になったコレステロールは肝臓に運搬されてCYP7A1(Cholestero1 7alpha-Hydroxylase)によって水酸化反応を受け、次いで、CYP8B1によって胆汁酸に異化され十二指腸に排泄される。CYP7A1遺伝子の発現量は夜間に急激に高まったが、CYP8B1遺伝子の発現量は昼夜で大きな差異はなかった。肝実質細胞での脂質輸送にはATB依存性輸送蛋白質が関与し、ABCB4、ABCG5、ABCG8は何れもABC結合カセットスーパーファミリーに属している。肝実質細胞での胆汁酸輸送に関与するABCB11遺伝子やリン脂質輸送に関与するABCB4遺伝子の発現量には昼夜で大きな差異は無かったが、中性ステロールの輸送に関与するABCG5やABCG8遺伝子の発現量は夜間で著しく増大した。胆汁酸が充分に合成されると、過剰の胆汁酸は核内レセプターFXR(farnesoid X receptor)のリガンドとなり、核内レセプターSHP(small heterodimer partner)の転写を充進させてCYP7A1遺伝子の転写を抑制するが、核内レセプターFXR、SHP遺伝子の発現量は共に夜間で高かった。以上のことから脂質代謝に関与するCYP7A1、ABCG5、ABCG8、FXR、SHP遺伝子の発現量が昼夜で大きく異なったことより、これらの遺伝子は体内時計の支配を受けていることが示唆された。

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi