研究課題/領域番号 |
17657087
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
甲田 勝康 関西医科大学, 医学部, 講師 (60273182)
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研究分担者 |
河野 比良夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (30148522)
中村 晴信 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (10322140)
薗田 精昭 関西医科大学, 医学部, 教授 (60206688)
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キーワード | 栄養学 / 環境 / 生理学 / 人類学 / 発現制御 |
研究概要 |
ヒトは、その歴史の99.8%以上の間、自然環境の中で生活してきた。自然環境は時として飢饉などの有害な作用をヒトにおよぼしてきたが、ヒトは自らの生体をこの栄養ストレスに適応させた。現在、過食に関連した疾患が増加している。これは、近年に急速に作り上げられた豊かな食環境に生体が適応していないために生じているものと考えられる。これまでに、食事制限等の栄養ストレスが生理機能におよぼす影響について、内分泌機能や肝臓の代謝機能などの視点からの報告がある。しかしながら遺伝子発現やタンパク質解析のような分子生物学的手法をもちいた検討は殆んどなされておらず、平成17年度は、食事制限に対する適応過程を検討するための基礎データを得る目的で、食事制限下における遺伝子発現とタンパク質の網羅的解析を行った。 関西医科大学倫理委員会の承認に基づいて採取・保存してある血清サンプルのタンパク質の網羅的解析のための二次元電気泳動技術の確立を行った。まず血漿からアルブミンを除去した後、等電点にて電気泳動し、その後さらに分子量により電気泳動し、二次元の展開が可能となった。臓器の遺伝子発現量を測定することはヒトでは行えないため、マウスやラットなどの実験動物も使用した。骨髄、脾臓、肝臓などの各遺伝子の発現の定量を行った。臓器を摘出しRNAを抽出した。このRNAを逆転写しcDNAを作成した。cDNAテンプレートを用いてリアルタイムRT-PCRにより種々のmRNAの発現量を定量した。また、サイトカインアレイを用いて、絶食前後におけるサイトカインの変動を網羅的に観察した。その結果、食事制限により、内分泌機能や代謝機能だけでなく様々な遺伝子発現やタンパク質が影響を受ける可能性が示唆された。
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