研究課題/領域番号 |
17658012
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
野田 勝二 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 助手 (30361439)
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研究分担者 |
塚越 覚 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 助手 (40270863)
大釜 敏正 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 教授 (60093209)
喜多 敏明 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 助教授 (00283078)
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キーワード | 園芸療法 / 園芸福祉 / 園芸作業 |
研究概要 |
園芸作業動作の解析は、ブドウとキウイフルーツの収穫作業を用い、OWAS(Ovako Working Posture Analysing System)で作業姿勢の比較が可能な最適サンプリング間隔の検討と、作業姿勢の評価を行った。ブドウおよびキウイフルーツの収穫は、同様に肘を肩より上に持ち上げて行うものである。今回は、作業姿勢の違いを出すために、ブドウは収穫した果実を地面に置いた籠に入れ、キウイフルーツは果実を台の上に乗せた籠に入れることとした。作業姿勢をビデオで撮影し、映像からのサンプリング間隔について検討した。サンプリング間隔は、10秒とすることでブドウの収穫とキウイフルーツの収穫における作業姿勢を十分区別して評価できることが明らかとなった。また、その際の作業姿勢は、ブドウの収穫では、筋骨格系に有害であり早期に改善すべきカテゴリーであるアクションカテゴリ(AC)3が2%見られたが、キウイフルーツではAC3は見られなかった。 ブドウの収穫・調整・パッキング作業が、身体および感情に及ぼす影響を調査した。作業は8月26日と9月2日の午前中の2回行い、作業時間は約1時間とした。作業中にハートレイトモニターにより心拍数をモニタリングしたところ、作業による身体負荷は大きくなかった。作業前後における身体疲労度は、作業前後のフリッカー値を比較することにより評価した。フリッカー値の増加は疲労の軽減を示すが、今回の作業により約40%の人で値が増加した。感情の変化は作業前後に気分プロフィールテスト(POMS)を用いて調査した。その結果、負の気分尺度が減少し、気分が改善された。このことから、今回用いたブドウの収穫作業は、リフレッシュ効果が高く、気分状態を改善させる効果があることが明らかとなった。 園芸作業を評価する客観的な指標のひとつとして、ストレス感応物質であるコルチゾールの分析方法について検討し、来年度からの実験に用いることができるよう試行を行った。
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