研究課題/領域番号 |
17658017
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
仁藤 伸昌 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (80015809)
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研究分担者 |
松本 俊郎 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (50110242)
伊東 卓爾 近畿大学, 生物理工学部, 助教授 (90033274)
渡辺 俊明 近畿大学, 生物理工学部, 助教授 (50201207)
堀端 章 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (70258060)
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キーワード | 単色光 / 紫外線 / 花色発現 / 光形態形成 / 透光性太陽電池 / パルス発光 |
研究概要 |
研究事業初年度である本年度は、共同研究を進めるための基盤作りの期間と位置付け、園芸分野とエネルギー分野に分かれて各々の研究課題に取り組んだ。 まず、園芸分野では、太陽光発電装置をもたない既存のバイオトロン内で、単色光の照射がビオラおよびスプレーギクの花色または形態形成に及ぼす効果を調査した。まず、自然光下および50%遮光条件下で栽培されているビオラに赤色光または青色光の補光を行ったところ、花弁が青色でブロッチ(目)部分が白色のビオラ系統では、青色光の補光によりブロッチが白色から淡青色へ変化する傾向が認められた。また青色光や赤色光の補光はビオラの葉を長くし、アントシアニンの蓄積を促した。さらに開花直前のスプレーギクに短時間(30分)の紫外線照射を行ったところ、紫色花系統では花色が濃くなる傾向が認められた。これらの作用は品種によって異なっていたため、補光との関連を明確にするには至らなかったが、補光によって園芸植物に様々な変化が生じ得ることが明らかになった。 一方、エネルギー分野では、実験装置の製作と稼働条件の検討を行った。近畿大学生物理工学部内(和歌山県紀の川市)に透光性太陽電池(太陽工業(株)・KN38)を屋根に設置したおよそ6m^2のガラスハウスを製作し、月ごとに発電量を計測(一部推定)したところ、日射量の多い夏期で690kwh/日、日射量の少ない冬季で310kwh/日の発電量を得ることができた。これらの値は、冬季でも40Wの蛍光灯4本を2時間点灯することができる値であり、夏期には換気ファンを運転する余裕がある。また、補光装置からの廃熱の低減とさらなる低コスト化を目指して、LEDを用いた補光装置の設計を行った。試作した装置は、点灯-消灯の時間設定のほか、ミリ秒単位のパルス発光を制御でき、細かく制御された光条件が植物に与える効果を検証する際に役立つ機能を有している。
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