研究課題
ACR毒素生産に不可欠な亜鉛を吸着するカンキツ由来のメタロチオネイン蛋白の遺伝子単離に成功した。このメタロチオネイン遺伝子の大腸菌発現産物をACR毒素生産菌の胞子液に混ぜて感受性葉に噴霧接種すると、壊死斑形成が著しく抑制されることを明らかにした。そこで本研究では、メタロチオネイン遺伝子に細胞外分泌タグ配列を付加して、ラフレモンを含むACR毒素感受性植物で発現させる。毒素生産に不可欠な微量要素を細胞外でトラップして宿主から菌に供給できなくすることにより、病原菌による毒素生産が抑制されてACR毒素生産菌に対する耐病性が増強できると考えている。研究代表者担当 ラフレモンメタロチオネイン遺伝子RlemMT1に本研究室で保有するPGIP遺伝子の細胞外分泌タグ配列を付加してアグロバクテリウムバイナリーベクターpBI121にサブクローンした。本ベクターとA.tumefaciens LBA4404を用いてラフレモンへの挿入を開始した。また同遺伝子+PGIP分泌タグ配列を糸状菌アルタナリア形質転換用ベクターにサブクローンして、ACR毒素生産菌であるA.alternata rough lemon pathotypeのHC1株に挿入した。本変異株においても周りの環境にある亜鉛を吸着することにより、毒素の生合成を阻害するものと考えられる。次年度にラフレモン・糸状菌それぞれにRlemMT1+PGIP分泌タグ配列を挿入した変異体の詳細な形質の検定に着手する。研究分担者担当 現在保有するイチゴメタロチオネイン遺伝子部分配列をもとに,レース法を用いたcDNAの単離と、その配列に相当するゲノム遺伝子のクローニングを進めた。cDNA全長の大部分の領域を単離し、次年度は完全長が単離できると考えられる。
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